The Geological Society(London)から出版されたIAVCEI Special Publications No.2 'Studies in Volcanology-The legacy of George Walker'が届いた.火山学の定量化に大きな業績を挙げたGeorge Walker(1926-2005)の追悼シンポジウム(2006 Iceland)から論文集としてまとめられたものだ.うちの火山ゼミでも毎年必ず数回はWalkerの火砕物の分級度と中央粒径の図や,破砕度と分散度による分類図が発表に用いられる.

最初にSparksによるGeorge Walkerの火山学への遺産についての解説(15頁)があり,本体は所謂学術論文が17編で,それらは溶岩流に関するもの4編(うち一編はWalker自身によるもの),爆発的噴火に関するもの8編,そして火山体の構造や形成過程についてのものが5編からなり,最後にRawland & Sparksによる解説付きの'A pictoral summary of the life and work of George Patrick Leonard Walker'という表題の写真・図説集(30頁)が含まれている.

最初のSparksの解説と最後の図説集を見たのだが,印象としては初期のアイスランドの地質調査はあまり一般には知られていないが,その土台があって,1970年代,80年代の火山学についての豊かな実りがあったように思った.Walkerによる東アイスランドの地質図が2葉でてくるが,Page 3のものは40×20km,Page 380のものは30×40kmの範囲に及んでいる.これらの地域は植生に乏しく(表紙に印象的な東アイスランドの写真が載せてある)地質構造は比較的判り易いようだが,アイスランドの一番古い部分の溶岩層について,広い範囲の沸石による変質鉱物分帯を行っている.本当に世界の火山を広く調査しており,日本でもAramaki, Kuno, Muraiによる仕事からの刺激を受けたことが記されている.

最後の図説集の最初に12歳時の小学校の成績表が載っているが,Art, General Science, Geographyがクラスで一番だが,代数は後の方で苦手だったようだ.Englandに生まれ,Irelandで育ちベルファストのQueens Univで学位を受けている.1954年28歳でImperial College Lecturer,1978年52歳でUniv Aucklandへ移り,さらに1981年55歳でUniv HawaiiのGordon Macdoald Chairの初代教授になり,1996年に引退してEnglandで過ごしている.地味にコツコツデータを積み上げて論文を書く人だが,それを支えたHazel夫人のことも紹介されていた.

最後の図説集からいくつかのコメント:
George was famous for prioritizing work over meals, usually barely slowing down to eat a candy bar 'lunch', and on occation prioritizing work over sleep.(Fig. 7)

George liked to say, only half in jest, that the quality of a volcanologist's work is inversely proportional to the number of eruptions witnessed (Fig.16)

George did not place much value in determining lava temperatures, and once remarked that the temperature of a lava flow was always inversely proportional to the discomfort of the geologist making the measurement.(Fig.25)

George loved to teach, particularly in the field, where he was transformed from a shy, reserved man to a figure of authority and brilliance.(Fig.34)

最初のコメントなど耳が痛い.