昨夜帰って、疲れがどっと出てしまいました。ちょっと長いですが、毎日の記録を貼り付けます。
12月14日
AGUのセッションは朝8時からOralは2時間単位のセッションが18時まで4コマ、Posterは1日単位で1コマ、最大2300件の発表が行われる。ポスター会場は歩いて2-3分のMoscone Northで行われる。
今朝はV11F「Crystals, Glass, Cracks, and Bubbles: Degassing and crystallization in silicic conduits and lavas I」のセッションで聞いた。全体にポスターも含めて火山噴出物の発泡組織の解析にはX線CTの手法が浸透してきている印象。Posterで2Dから再現したBSD(気泡サイズ分布)と3Dのデータの比較が行われていた。OrleanのBurgisserのところの院生のGiachettiらの仕事で、3Dでも気泡合体で切れた気泡を再現するのがかなり大変で、医療関係のソフトを岩石に適用できるようにしたものを使っているとのこと(3DMA-Rockという名前でダンロードできる)。結果は2Dでも3Dでもよく合っていて、冪の分布になる。それにしても大半の気泡が合体していることが示されており、サイズ分布に合体が本質的に効いてい居るという印象。
Castroらはやはり3DCTで気泡が接して合体して脱ガスが生じる直前に、小さい気泡が大きい気泡に向けて突き出たドーム状の形状を呈することを示し、表面張力の効果で説明されるようだ。かなりこれまでの発泡度と浸透率の関係に関するレビューの話が長かったが、最後にTakeuchi et al. (2009)も正当に紹介されていた。Ed Levellineは火道流の先端部でのPure shearでの変形と、壁部近くでのSimple shearでの気泡の変形を論じて実際には後者が圧倒的に重要であることを示していた。GardenerらはToramaru(1989)モデルを用いて実験的にメルトの表面張力を種々の組成のメルトについて求めていた。より粘性が高くなると表面張力が多くなるように、温度、含水量、メルト組成が効くようだ。
Gonnermannらはカトマイ1912噴出物について、気泡の体積分率のサイズ分布を実測とモデル計算で共にほぼ対数正規分布になることを示した。Dingwellは早口で、10年前にMartiらがNatureに書いた論文で用いたチューブ軽石について3D測定と物性・含水量測定を行い、チューブ軽石は火道壁近くでのSimple shearで生じ、破砕後の組織緩和も重要であるとのこと。
午前の後半はV12B「Early Earth I」を少し聞いた。Eiichiさんは三宅島の調査で足を折り来れなくなったので院生のTsumagariさんがパラサイトの衝突溶融実験とピストンシリンダーでの溶融実験でFeメタルの凝集組織の話をされたが、発音がきれいで判りやすかった。後は、BJ Woodが核とメルト間の元素分配を使って、鉛やタンタルの同位体比が従来のグラファイトカプセルを使った実験では炭素の影響で分配が狂っていたものが、Feカプセルで整合的な結果が得られたことを話していた。彼は今年、オーストラリアからOxfordに移ったとのことで、相変わらずの仕事である。私にとっては、Wood and Banno(1973)の印象が強烈であるが、その後確実に世界のトップで継続してリードしている。あとは外へ出て知り合いとおしゃべり、昼食をとった。ハンバーガーショップが多いのだが、少し離れて探すと、より野菜の多いバランスの良いカフェテリアのような店があった。午後最初のコマはあまり面白いOralがなく、ハノーバーの知人や日本の関係者でも日頃ゆっくり話す機会がない人と話をしたりした。
午後の最初のセッションはLayered intrusionの話を聞いた。ここも大半は有名な先生方がOralをやっている。Boudreauは層状岩体の問題としてPlagioclase paradoxに関連してCrystal mushのCompactionについて述べた。分化して液が分化すると密度的に斜長石は浮くのはずなのに、実際は下部の沈積層にも斜長石は含まれていることをどのように説明するかということのようだが、早口での説明はよく解らなかった。Marsh, Morse, McBirneyなどもう30年以上もやってきた話であった。Holnessは二面角の論文でお馴染みであるが、中年の風采の立派な女性研究者だった。Skaergaardの層序に沿ってCpx-Pl-Plの2面角が相が加わる部分で急に変化する(70°⇒110°、Mt)ことを結晶作用の時間の変化に結びつけて説明していた。イギリス流の発音は明瞭で議論向きであるが、平衡組織へ向かって二面角が変化する過程が良く解らなかった。
午後の最後のセッションの時間はポスターを見て回った。Bubbleの2Dと3Dの比較の話は上に書いたように学位を提出する時期のGiachettiの説明をゆっくり聞いて、その分解能の高さとBubbleの場合は合体気泡の修正ソフトの内容が重要な問題であることを理解した。AlaskaのJessica Larsenのところの院生が角閃石の記載をしていたので、話を聞き、雲仙での安定領域の話をした。また溶岩流のレオロジーの仕事をLavalleeのところの院生が出していたのでそれも話を聞いた。発泡過程のBubble cell modelの論文で馴染みのあるSahagianが居て、火山灰の湾曲をSide-Scan Electron Microscopyで測定し元の気泡サイズ分布を求め、一方でモンテカルロ法でモデル発泡組織で求めたサイズ分布と比較した話を出していた。こちらも巨大噴火でBubble wall thicknessから彼らのBubble cell modelを使って気泡サイズ分布を推定した話をした。貫禄であるが、まだ53歳とのこと。写真を撮らせてもらった。後でこちらの仕事を送る約束をした。やはりきちんと論文にしておかないと勝負にならない。
12月15日(火)
目が覚めたら10時半で、それから慌てて出かける。午前中はポスターセッションのVの部分を見て廻る。ポスター会場は2300位入るが火山関係だけで恐らく毎日200位のポスターが出されている。最初にMarco Brennaに出会ってポスターを見ると、Cheju島の東側にある単成火山の島の調査を7月にしたそうで、その主成分、鉱物分析を行っていた。元気そうで短時間に結果を出すのは相変わらずだ。指導教官はCroninという人で、同じ試料について地球化学の部分はIan Smithとその学生が担当しているとのこと。韓国のSohnが共同研究者として入っている。WhittingtonのDrの学生がVitrophyreの粘性実験をしていて少し議論した。10^10Pa s程度になるようで、平行板法での測定である。
午後はMetrich, Johnson, ShinoharaがやっているRole of CO2 in magma evolution and degassing processes のセッションを聴く。RoggensackらはCO2溶解度がメルトのCaO量と相関することを低圧のピストンシリンダー実験で示していた。1インチのシリンダーで0.3GPaの実験を行っていた。Yoshimura & Nakamuraのchromatographic CO2 flushingの話はインパクトがあった。下方からのマグマ溜まりから上方のマグマ溜まりにCO2の純粋な流体が供給された時にその流体が周囲のマグマと相互作用しながら上昇する過程をモデル化したものだ。この次に話したAlison Rustは完全に参った感じで、前の講演を何度も引用しながらでヨレヨレで終わってしまっていた。その点、Aiuppaらは同じことを考えていて、CO2/SO3-H2O/CO2の進化について考察していた。
夕方、ポスターを廻っていると、Mike Dunganが片付けるところで久し振りで話をした。1976年のDSDPで一緒だった仲間たちも、Dickは元気にやっているが、Honnorezは最近見かけないとのことで、Petersen, Ed,等々大半は早々と現役ではなくなったとのこと。Mikeは現在チューリッヒだがあと数年で退職になり、バンクーバーでAffiliated professorをやる予定とのこと奥さんがそちらの人らしい。Steve Self, Mike Sheridan等とも少し話す。
12月14日
AGUのセッションは朝8時からOralは2時間単位のセッションが18時まで4コマ、Posterは1日単位で1コマ、最大2300件の発表が行われる。ポスター会場は歩いて2-3分のMoscone Northで行われる。
今朝はV11F「Crystals, Glass, Cracks, and Bubbles: Degassing and crystallization in silicic conduits and lavas I」のセッションで聞いた。全体にポスターも含めて火山噴出物の発泡組織の解析にはX線CTの手法が浸透してきている印象。Posterで2Dから再現したBSD(気泡サイズ分布)と3Dのデータの比較が行われていた。OrleanのBurgisserのところの院生のGiachettiらの仕事で、3Dでも気泡合体で切れた気泡を再現するのがかなり大変で、医療関係のソフトを岩石に適用できるようにしたものを使っているとのこと(3DMA-Rockという名前でダンロードできる)。結果は2Dでも3Dでもよく合っていて、冪の分布になる。それにしても大半の気泡が合体していることが示されており、サイズ分布に合体が本質的に効いてい居るという印象。
Castroらはやはり3DCTで気泡が接して合体して脱ガスが生じる直前に、小さい気泡が大きい気泡に向けて突き出たドーム状の形状を呈することを示し、表面張力の効果で説明されるようだ。かなりこれまでの発泡度と浸透率の関係に関するレビューの話が長かったが、最後にTakeuchi et al. (2009)も正当に紹介されていた。Ed Levellineは火道流の先端部でのPure shearでの変形と、壁部近くでのSimple shearでの気泡の変形を論じて実際には後者が圧倒的に重要であることを示していた。GardenerらはToramaru(1989)モデルを用いて実験的にメルトの表面張力を種々の組成のメルトについて求めていた。より粘性が高くなると表面張力が多くなるように、温度、含水量、メルト組成が効くようだ。
Gonnermannらはカトマイ1912噴出物について、気泡の体積分率のサイズ分布を実測とモデル計算で共にほぼ対数正規分布になることを示した。Dingwellは早口で、10年前にMartiらがNatureに書いた論文で用いたチューブ軽石について3D測定と物性・含水量測定を行い、チューブ軽石は火道壁近くでのSimple shearで生じ、破砕後の組織緩和も重要であるとのこと。
午前の後半はV12B「Early Earth I」を少し聞いた。Eiichiさんは三宅島の調査で足を折り来れなくなったので院生のTsumagariさんがパラサイトの衝突溶融実験とピストンシリンダーでの溶融実験でFeメタルの凝集組織の話をされたが、発音がきれいで判りやすかった。後は、BJ Woodが核とメルト間の元素分配を使って、鉛やタンタルの同位体比が従来のグラファイトカプセルを使った実験では炭素の影響で分配が狂っていたものが、Feカプセルで整合的な結果が得られたことを話していた。彼は今年、オーストラリアからOxfordに移ったとのことで、相変わらずの仕事である。私にとっては、Wood and Banno(1973)の印象が強烈であるが、その後確実に世界のトップで継続してリードしている。あとは外へ出て知り合いとおしゃべり、昼食をとった。ハンバーガーショップが多いのだが、少し離れて探すと、より野菜の多いバランスの良いカフェテリアのような店があった。午後最初のコマはあまり面白いOralがなく、ハノーバーの知人や日本の関係者でも日頃ゆっくり話す機会がない人と話をしたりした。
午後の最初のセッションはLayered intrusionの話を聞いた。ここも大半は有名な先生方がOralをやっている。Boudreauは層状岩体の問題としてPlagioclase paradoxに関連してCrystal mushのCompactionについて述べた。分化して液が分化すると密度的に斜長石は浮くのはずなのに、実際は下部の沈積層にも斜長石は含まれていることをどのように説明するかということのようだが、早口での説明はよく解らなかった。Marsh, Morse, McBirneyなどもう30年以上もやってきた話であった。Holnessは二面角の論文でお馴染みであるが、中年の風采の立派な女性研究者だった。Skaergaardの層序に沿ってCpx-Pl-Plの2面角が相が加わる部分で急に変化する(70°⇒110°、Mt)ことを結晶作用の時間の変化に結びつけて説明していた。イギリス流の発音は明瞭で議論向きであるが、平衡組織へ向かって二面角が変化する過程が良く解らなかった。
午後の最後のセッションの時間はポスターを見て回った。Bubbleの2Dと3Dの比較の話は上に書いたように学位を提出する時期のGiachettiの説明をゆっくり聞いて、その分解能の高さとBubbleの場合は合体気泡の修正ソフトの内容が重要な問題であることを理解した。AlaskaのJessica Larsenのところの院生が角閃石の記載をしていたので、話を聞き、雲仙での安定領域の話をした。また溶岩流のレオロジーの仕事をLavalleeのところの院生が出していたのでそれも話を聞いた。発泡過程のBubble cell modelの論文で馴染みのあるSahagianが居て、火山灰の湾曲をSide-Scan Electron Microscopyで測定し元の気泡サイズ分布を求め、一方でモンテカルロ法でモデル発泡組織で求めたサイズ分布と比較した話を出していた。こちらも巨大噴火でBubble wall thicknessから彼らのBubble cell modelを使って気泡サイズ分布を推定した話をした。貫禄であるが、まだ53歳とのこと。写真を撮らせてもらった。後でこちらの仕事を送る約束をした。やはりきちんと論文にしておかないと勝負にならない。
12月15日(火)
目が覚めたら10時半で、それから慌てて出かける。午前中はポスターセッションのVの部分を見て廻る。ポスター会場は2300位入るが火山関係だけで恐らく毎日200位のポスターが出されている。最初にMarco Brennaに出会ってポスターを見ると、Cheju島の東側にある単成火山の島の調査を7月にしたそうで、その主成分、鉱物分析を行っていた。元気そうで短時間に結果を出すのは相変わらずだ。指導教官はCroninという人で、同じ試料について地球化学の部分はIan Smithとその学生が担当しているとのこと。韓国のSohnが共同研究者として入っている。WhittingtonのDrの学生がVitrophyreの粘性実験をしていて少し議論した。10^10Pa s程度になるようで、平行板法での測定である。
午後はMetrich, Johnson, ShinoharaがやっているRole of CO2 in magma evolution and degassing processes のセッションを聴く。RoggensackらはCO2溶解度がメルトのCaO量と相関することを低圧のピストンシリンダー実験で示していた。1インチのシリンダーで0.3GPaの実験を行っていた。Yoshimura & Nakamuraのchromatographic CO2 flushingの話はインパクトがあった。下方からのマグマ溜まりから上方のマグマ溜まりにCO2の純粋な流体が供給された時にその流体が周囲のマグマと相互作用しながら上昇する過程をモデル化したものだ。この次に話したAlison Rustは完全に参った感じで、前の講演を何度も引用しながらでヨレヨレで終わってしまっていた。その点、Aiuppaらは同じことを考えていて、CO2/SO3-H2O/CO2の進化について考察していた。
夕方、ポスターを廻っていると、Mike Dunganが片付けるところで久し振りで話をした。1976年のDSDPで一緒だった仲間たちも、Dickは元気にやっているが、Honnorezは最近見かけないとのことで、Petersen, Ed,等々大半は早々と現役ではなくなったとのこと。Mikeは現在チューリッヒだがあと数年で退職になり、バンクーバーでAffiliated professorをやる予定とのこと奥さんがそちらの人らしい。Steve Self, Mike Sheridan等とも少し話す。