浅間山噴出物の含水量測定を卒論のK君がやって少し面白かったこと。地理のテフロクロノロジーでは既に火山ガラスの水和についてはNakamura et al.(2002)JVGRに書かれているように1000年以上古い火山ガラスは水和していて屈折率に多様性があることが知られているそうだが、浅間でも1783年、1108年噴出物では変質鉱物が生じているものを除くと殆どが0.3-0.7wt%だが、1万年前以前の小諸火砕流や嬬恋軽石では大半が1.5-4wt%で水和しているようだ。それらの試料の電顕像を撮っていて念のためコントラストを強くすると、火山ガラスのコアの部分で白くなる(反射強度が強い=平均原子番号が大きい)のを見つけることができた。水和すると平均原子番号は下がるので、この像は水和を表しているのだろう。顕微赤外か何かで確認が必要だが、割とSharpにBSE像のコントラストが出たので恐らく、水の拡散速度がガラスの含水量に強く依存する形の拡散でプロファイルがステップ状になったのだと思う。高温でのZhang&Behrens(2002)の拡散データを外挿すると常温での拡散速度は流紋岩ガラスではデイサイト中より数桁大きいので、追分火砕流のようなシリカの乏しいガラスでは1000年前でも殆ど水和していないだろうと思われる。含水量プロファイルを得て、拡散係数の組成依存性が出せれば仕事になりそう。

PSその後、Yokoyama, Okumura, Nakashima (2008) GCAで神津島の流紋岩質ガラスの水和の解析論文が出され、ガラス中に水の拡散係数が求められている。高温拡散実験から外挿した値よりも大きな値で、拡散機構が低温では異なることが示唆されている。