
火山噴火の際の爆発/非爆発を左右する過程の一つが減圧発泡過程である。マグマ中の水の溶解度は圧力の平方根に比例するので、マグマが上昇し、過飽和になると水が発泡する。その過程は最初、Toramaru(1989, 1995)により計算機実験で検討された。その頃、当方も神戸大でガス圧装置を入れて卒論生のH君が減圧発泡実験をし、減圧速度と気泡核密度の関係を検討した。しかし、これは連続減圧ではなくステップ状の減圧実験だったこともあって学会発表〔1998年)のみで論文にできないでいたら、1999年頃からGardenerをはじめ、Mangan,Couchi, Martels, Hammerらが2001-2003年に次々と論文を発表して概要が判った。当方は、実験技術が低いので同じテーマでは競えない。これらの公表された実験はガス圧装置ではなく、水を媒体とする外熱式加圧装置を用いていた。その後、当方も同じ装置を購入したが、温度の較正がうまくいかず、なかなか結果が出せないままだ。この写真は、それでも、姶良軽石(SiO2=78%)を用いて減圧発泡実験をしたものだが、斜長石の結晶は恐らく減圧時ではなく、高圧保持の条件で晶出したものであろう。今年は時間がないので、実験を続けれないし、学生もこのような実験を希望しないのでしばらくおあずけで、この間に、一ひねりした別の関連実験テーマを思いつけるとよいのだが。