月曜日の午後から、昨土曜日の昼過ぎまで6日間静岡に滞在。

 

元々は9月の山口大での鉱物科学会の折、K先生などに、昔退職してしばらくして静岡大のⅠさんに送った撹拌装置付電気炉を使いに来ないかという打診があり、本来の使い方とは全然関係ないスコリアの酸化実験をやってみたい、ということでⅠさんに連絡をとり彼の都合の良い12月中旬に行くことになった。結果としては電気炉の温度制御の部分が変調で温度が上がらず結果を出すことは出来なかったが、久しぶりにゼミや学生さんの実験を見て、自分がいつの間にか(元々?)世の中から随分遅れていたことを認識する良い機会になった。

 

月曜は午後事務手続きの後、教室の月演とのことで3人の3年生が新着論文紹介。その後、I さんのゼミで、M2のNさんとB4のS君。Nさんは富士宝永と伊豆大島のcrystal clotのPetrographyで溜りの固化過程を読み取る。S君は伊豆大島1986のB, C火口噴出物の石基組織の解析から噴火様式とCND等の対応関係を読み取る。ゼミの後、電気炉の材料を確認して部材の確認と設定、等。夜は宿のレストランで餃子定食。

 

火曜、電気炉を簡単に掃除して温度を上げて試験Runを3回やる。赤くならない。夕方M先生(元防災総合センター長)が部屋に来られてしばらくお喋り。同級生に両TさんやYさんがおられ今年集まったとのこと。静岡は冬が良いこと。今もMathematicaで結晶組織の計算を廻しておられるとのこと。

 

水曜、電気炉をAu線を使って温度較正をしてみると1200℃表示でもAuは融けず、熱電対が変になっていることが判る。これは会社に聞いてみないとどうにもならないようだ。午後、電顕室等を見せてもらう。分析電顕の性能が一段と上がっていて、思いもよらない微量元素のマッピングが可能になっていること、それに関する多数の論文が出ていること(Ol中のPとか)を教えてもらう。簡易分光計で少し測定。紅十勝石というのはなかなか綺麗。夜は台湾中華。

 

木曜、マッフル炉で少し焼いて蒸気を当てたりして比較する。基本温度を上げれば赤色化する。午後は分光測定をいろいろ条件を変えて比較。夜は飲み会で、K先生、Km先生、I さん、Tさんとで5人。あれこれ、昔話(ピペットを割った話など)やK先生はWayn Burnhamと同室だったことがあるとか。

 

金曜、午前はふじのくにミュージアム。よく世界の貴重な試料を集めてある。午後、草薙の常葉大学のNさんの実験室で、コニカミノルタの分光計を使って、簡易分光計との比較。少し違う部分もあるが基本は同じ。同じ試料で測定してみる。コニカミノルタは強いパルス光源。色チャート等教えてもらう。疲れが出たので、帰りはそのまま宿へ。

 

土曜は駿府城公園と静岡市歴史博物館を見て午後帰る。

 

5日間、I  さんには、校務・授業や学生さん(修士2名、卒論5名)の指導等でお忙しい中、全ての実験を中心になって実施して頂き、また食事会等ずっと一緒でサポートして頂き大変有難かった。感謝する次第です。

 

PS 後になって考えると、電気炉の不具合は、熱電対に由来するかも知れないと思った。起電力はB型、K型、R型等で全然違うので、機器が対応している熱電対を使っていないと異常に高温を示しても実際にはそれほどでもない事が考えられる。熱電対は以前使ったもののままだと思って不思議だったのだが、入れ替えがあると起電力を測ってみないと確認できない。テスターはあったので測ってみるべきではありました。その場で気付かなかったのは情けない。  (12月22日)