私の家族は少し複雑で父と母は別居、私は高校生の時に家を出て一人暮らしをしていました。
お兄ちゃんは公務員として寮にいたが、退職し、一時的に母と同居をしていた。

思春期の時に実家を出たこともあり、父母には連絡先を伝えておらず、父母は私がどこで何をしているのか分からない状況だったと思います。

そんな私は、その当時バックパッカーでアジア近辺を回っており、旅の終盤、インドからネパールに到着しカトマンズに滞在していました。

ネパールと言えばエベレスト。しかし根性無しの私はガッツリ山登りなどはしたくなく、かと言ってそこら辺は行ってみたい!というところからトレッキングはしようとオンボロバスである町へ移動。2泊してカトマンズに帰ろうと思ってました。

町へ到着後、バス停から3km離れたゲストハウスへ徒歩で移動していました。3kmと言っても山道で、15kgのバックパックを背負って移動していたため、音楽を聞いて、タバコを吸いながら休み休み移動をしていました。
ネパールではSimを買っていなかったため、携帯を接続しておらず私は幼なじみからの連絡に気付きませんでした。

やっとの思いで宿につき、屋上のカフェでご飯とスムージーを頼みWi-Fiを繋げると、何年も連絡を取っていない幼なじみからSNSでメッセージが来ていることに気付きました。

「すぐ連絡してください。
○○(兄)のことではなしがあります。」

その幼なじみは、兄と私と同い年の姉妹で昔よく4人で遊んでいました。
しかし私が別の中学に通うようになってからは疎遠になり、6.7年ほど全く連絡をとっていませんでした。
兄と幼なじみの姉は今でも親交があったみたいだろうけどなんのための連絡かまったく検討がつきませんでした。

こんな久しぶりになんの連絡だろう。
兄ちゃんが事故にでもあったのかなー?とかぼんやりと思い電話をした。

この時の記憶も景色は今でも思い出せる。

幼なじみからは
「落ち着いて聞いてね。
○○(兄)が、亡くなったって。」

って言われた。
その瞬間足元のものが全て失くなった感覚に陥った。
私は次の言葉を聞きたくなくて思わず電話を切ってしまった。

悪い冗談だろうと思いながら、こんな久しぶりに連絡してくる幼なじみがこんな悪い冗談言うわけないだろうとも感じながら、信じられず、Skypeで兄の電話番号に電話をかけた。
この時私はすでに泣いてた。

電話が繋がり、「ほらね、兄ちゃん電話でたから、生きてるじゃん」と思った矢先、電話に出たのは父だった。
父は兄と暮らしていないはずだから電話にでるのはおかしい。

普段連絡することもなかったので、何年かぶりに父と話した。

兄の携帯を勝手に使っている父にイラつきながら私は、
「ねえ、兄ちゃんは?」
と聞いた。

父から
「○○(兄)は。。死んじゃったよ。。」
と言われた。

この時「あ、これはヤバいやつだ」と心の中で思ったのを覚えている。

この時人生で初めて父の泣いている声を聞いたからだ。
いつも厳しくて自分勝手な父だったが、怒って怒鳴り散らすことはあってもあんなに取り乱している姿は見たことがなかった。
これはただ事じゃないと思った。

私もこの時は号泣していた。

が、理由を聞いた後、父から兄ちゃんは自殺したと聞かされたときに私は
「お前らが殺したんやろ」
と咄嗟に言ってしまった。

父と母は仲が悪く喧嘩が絶えず、父からは理不尽な虐待が絶えず、弁護士沙汰にもなったことがあり、母もヒステリックで家族の仲は最悪だった。

その当時の状況を思うと、息子が自殺し、娘に責められる両親の気持ちはいかばかりのものだろうと考えます。
思っても口に出すべきではなかったとは思います。

その後、海外にいるためすぐに帰れないことや、何かあったら兄の携帯に電話をすることを話して電話を切りました。

幼なじみから、葬儀の詳細が届いていたため、電話を折り返し、お礼をいいました。
幼なじみには、兄は心筋梗塞で亡くなったと伝えられていた。

その日注文したご飯は食べれなかった。