先人たちの教訓を学ぶことは、私たちが生きていく上での「転ばぬ先の杖」になります。
そこで今回ご紹介するのが、橋本左内『啓発録』(致知出版)です。
幕末の志士、橋本左内は、「稚心を去れ」という言葉で有名ですが、彼の主著がこれです。
たとえば、
・「稚心」に害があるのは、それを除かない限り、士気がまったく振るわないからだ。いつまでも腰抜けから脱却できず、一人前の人間になれない。だからこそ私は思う。「幼き心を捨て去ること」こそが、武士の道に入る第一歩なのだ。
・「気」というのは、「人に負けたくない」という気持ちの表れだ。もっといえば、「負けたままでいること」を己の恥とし、無念と思うところから生じる、意地を張る気持ちだ。その「気」を、振るわそう!「振るわす」というのは、「自分がやらなければ」と心を奮い立たせることである。
そして、その奮い立った心が鈍らぬよう、油断せぬよう、気持ちをピンと張り続けていることだ。
などなど、珠玉の言葉で綴られています。武士云々ではなく、人間としての修養となる考え方です。
啓発録 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ12)
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