生きる意味が分からなくなる不安を、心理学では「実存的不安」と呼んでいますが、イヤな体験ほど気づきのヒントが眠っていて、それと真剣に向き合うと実存的不安を軽減できます。
お勧めの良書が、磯一明「あなたの経験には意味がある―出来事から人生の答えを見つける必然の法則」ビジネス社です。
本書では
「人生に、本当の意味で偶然はないという考え方があります。
すべては必然、という考え方です。
そう考えると、自分の人生のすべての局面に、責任を取る姿勢が生まれます」
「私たちの社会は、いつの頃からか、目標達成＝成功、目標未達成＝失敗、という価値観を作り上げてしまいました。
しかし、人生の本当のテーマは成長。個別の案件すべてに成功するよりも、それぞれの出来事からいかに学ぶかがそれ以上に大切です」
など、自分の経験を振り返る上で有意義な視点が述べられています。
人生に偶然はないと考える見方は、ある意味「大いなる意思」を想定しなければならないスピリチュアルな観点です。
ヘーゲル哲学でいう「絶対的精神」にあたりますが、大いなる意思の前にわれわれは謙虚でありたいと思います。
