とにかくストレートでストイックな彼。
本当に私の事をまっすぐ見る。
これは、偶然ではなく意識していたことなんだ。
それがわかって安心した。
翌日の私は睡眠不足はもちろん、まだお酒が残っている状態。
この状態での仕事はつらかった。
彼はというと、本来ならば休みだが、仕事があるので出勤する・・・と言っていたのに、まだ来ない。
きっと、二日酔いで寝てるんだろうと思っていた。
お昼もそこそこに、ファストフードで爆睡した私は会社に戻った。
彼は来ていた。
何か、不思議な感覚。
昨日までとは違う。
二人だけは。
もう、ただの同僚じゃない。
秘密を持ってるんだ。
そう思うとちょっとドキドキした。
彼は私に背を向ける位置にいるため、私が戻ってきた事にしばらくは気が付かないはず。
私は普通通り、仕事をした。
とすると、数分で声を掛けられた。
振り向くと彼が私の横に立っていた。
ハヤッ!
この行動力。
確かに回りはほとんど誰もいなかったが、昨日の今日でよく躊躇なく行動ができるなと思った。
お互いに昨日の挨拶をした。
その後、彼は言った。
「昨日はごめんなさい。」
え?何?
正直、なんで謝るのかわからなかった。
「失礼なことをしたかもしれないので」
と言われ、いきなりだったことを謝っているのかなと思った。
彼は記憶がないところもあるくらい酔っていて、今日も朝、出社するのを挫折したと言う。
私は「大丈夫、そんなことない」と言ったものの、まだ酔ったままなのでよく理解できていなかった。
この時のやりとりを私は丁寧な人だと思う反面、あまりに謝るので逆に不安になってきた。
もし、続きがあるのなら、謝りながらも次の約束をするはず。
それがなかった。
今日のところはふたりとも寝不足でデートどころじゃないから?
確かにそうかもしれないが、それならば言い方もあると思う。
それが、もう表面上何もないっぽい?
いや、違う・・・
この日から私はひとり悶々とした日々を送ることになった。