自分の意見が通らないとカンシャクを起こしたり

 

家出をしたりするので

 

なるべくそういう行動を起こさないように、

 

子どもの機嫌をとってしまうというご両親。

 

 

でもこんなことを続けているいると、

 

「自分の意見が通るのが当然と思ってしまうのではないか」

 

と心配されているとのことです。

 

 

その心配事に、

 

 

信州大学発達障害ご専門の本田秀夫先生が答えてくれています。

 

 

自分の意見が通らなかったり自分の想定したことが想定通りにいかないと

 

カンシャクを起こす方っていうのは自閉スペクトラム症の方で最も多い特徴です。

 

ADHDだけの方だと集中が切れるのでそこまで執拗にはカンシャクを起こさないんです。

 

自閉スペクトラム症の方っていうのは

 

本来根が真面目なので社会通念としてのルールが身につく方が多いんです。

 

 

ただ、もう一方で社会通念としてのルールの中に人類の平等とか公平とかそういう感覚も身に着けるので

 

自分が不当に抑圧されていると思うと

 

その自分の不当な抑圧を主張して

 

自分はもっと権利があるはずだということを主張する可能性があるんです。

 

 

だからその自分の意見が通らないとカンシャクを起こす方の場合

 

それまで自分が不当に他人の意見ばかりを押しとおされて

 

自分の意見を押しつぶされて自分の意見を聞いてもらえなかったという鬱積したものがあって、

 

 

そろそろ自分も意見を言わせろと、

 

このくらい言わないと不公平だと感じてらっしゃることがよくあるんです。

 

それが両親がそうさせていた場合だけじゃない場合もあるんだけど、

 

 

結局学校に行けなくなってると

 

自分の要求を通してもらえる相手が両親しかいないので、

 

両親にそのすべての矛先が向くということがありえると思えます。

 

 

お子さんの言い分とすると

 

これまでさんざんいろんな人たちの機嫌をとって自分を押し殺してきたんだと、

 

だから少しくらい自分の意見を聞いてもらったっていいじゃないかと。

 

 

ご両親がお子さんの機嫌をとっているというところがあるといっても、

 

それは過去にお子さんがいろいろな人の機嫌をとってきたものに比べると

 

まだ足りないと思われている可能性がありますよね。

 

そこら辺をどう考えるかではないでしょうか。

 

 

もしご両親が将来自分の意見が通るのが当然と思ってしまうのが心配だから

 

今から正しておこうと

 

そういう理由で機嫌をとるのをやめた方がいいんではないかと思っているとすると

 

それはしなくていいです。

 

 

なぜかというと

 

このタイプの状態になっている方の場合、

 

あなたのためだと言われて余計なおせっかいをされるのが

 

一番不当な抑圧なんです。

 

あなたのためと言われるのはそっちの言い分であって

 

私は何もあなたたちに私の将来のために何かやってもらおうと思っているわけではない

 

というのがこの人たちの言い分なんです。

 

 

もしお子さんの要求を100%通せないのであれば

 

通せない理由というのはお子さんのために良かれと思ってやるのではなく

 

ご両親自身がそれだと困るから、ご両親の権利を害されしまうからと

 

たとえば、欲しいものがあるからお金を出してと言われても

 

家の経済状態ではこれ以上は出せないと言っても構わないです。

 

 

何度も自分の部屋を掃除するように要求してくるなら、

 

何時には出勤しなくてはいけないから、できないと伝えて構わないです。

 

それはあなたのためを思って言ってるのではなく、

 

生活上無理だからという理由でなければお子さんも納得しません。

 

だから、そういう風に分けて考えていただくことです。

 

 

以上 

 

 

長年、発達障がい関連の臨床と研究に関わってこられた本田先生のお話しでした。

 

 

 

発達障がいと不登校は深く関わっていると考えられます。

 

 

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