新たに見出された資料を基に、無能な戦争指導者の姿をあぶりだしていた。
日本の軍部指導層は4月にソ連の参戦決定は知っていた。
しかし縦割りの組織の寄せ集めであった最高会議は、そうした情報も無視し
無策で、愚鈍で結論を先延ばしするだけだった。
ソ連への儚い和平交渉を模索したが、立ち消えになった。
総理、外相、陸、海の大臣など最高権力者たちは、自ら無条件降伏という幕引きの、汚名をかぶりたくないため、沖縄も見捨て、ただ一億玉砕、本土決戦を叫ぶだけだった。
戦前、帝国憲法では、国の最高権力者天皇がいて、各大臣はその補佐をする、という建前になっていた。
天皇の権威を前に立てて、伊藤博文などの明治の元勲たちが、自由に政治をするには都合がいい制度だった。
更に軍隊の最高指揮権は天皇にあるとし、陸、海大臣任命に政府は口出しできないようになり、軍部独走がまかり通っていく。
天皇は最高権力者と行っても、大臣たちの結論を覆すことはは無く、質問する程度だった。
8・15の降伏だけは天皇の判断だという。
明治、大正、昭和と時代が進むと、国の権力者は、軍、官僚のエリートたちで占められ、神国日本のアジア征服を精神論で夢想する、現実無視の中味の伴わない空想的大日本帝国の狂信者ばかりになっていた。
日本の指導層が、こうした現実からかけ離れた夢想者、狂信者、自己防衛者で占められたことは、日本の悲劇だった。
現実も見ようとせず、自分たちに都合のいいことしか考えず、国民のことではなく、自分たちの保身、権力保持だけを考えていたのだから。
こうして、沖縄戦、特攻、空襲、原爆、ソ連参戦により、尊い命が奪われていった。
せめて、4月に降伏していれば、沢山の命は救われ、悲劇も防げた。
nhkの番組は、そのことに一石を投じる内容だった。
戦争の責任、実態を見ずして、真の進歩は無いと改めて思わされた。