『言語の脳科学』(酒井邦嘉 中公新書 2002年)。
本屋にはロクな本がないと思いながら、立ち寄った本屋でこれを見つけた。古本屋じゃないよ。
以前読んだ『右脳と左脳』(角田忠信 小学館ライブラリー文庫1992年)はとても面白かった。ご存知、虫の音を日本人は左脳=言語野で聞くが中国人を含め西洋人は右脳でノイズとしてしか聞かないという説で有名です。その後この説はどうなっているか、気になっていたのです。
専門外の素人には、いやあむつかしい。
自然言語?重要な概念、説明はあったはずだがすでに忘れておる。これじゃだめです。
この手の本は、「文体が悪い」でおれは済ませていた。
いやいや、おもしろくないという意味じゃないですよ。
手に負えないけどおもしろい、というわけで。
「手話も言語である」てのもおもしろかった。
脳科学者と電気工学者は遠からず文字通りの”人工頭脳”を作るでしょう。
そうなればあたしらは労働しなくても生きていける。
バベルの塔にならぬことをあたしも祈っております。
■父の日、だとさ
この日にはいつもこの詩を思い出す。
ぼうやはもらう大きなこいのぼりを
ママはもらう赤いカーネーションを
パパはもらううすっぺらな月給袋を
ぼうやは泣くママの背中で
ママは泣くパパにもたれて
パパはいつも泣くに泣けない
ぼうやは信じるママのやさしさ
ママは信じるパパのたくましさ
パパは信じる――何を?
けれどパパは死んでも云わない
「父の日」をつくれなどとは
谷川俊太郎「モン・パパ」