わしら田舎住まいには、そんなこと隣の部落のもめ事のように思ってしまいます。ジャーナリズムさんに面目ない。
どうしておれはこんなに感度が鈍いんだろか。
この調子で、ウクライナもガザもあらゆる貧困地帯・暴虐地帯も「知ったことか」で済ませるんでしょうか。
なるほど、みなさん、そうやってやり過ごしているじゃないですか。おれだけが見逃しているんだっら肩身が狭いんだけどね。なんだおれだけじゃないんだ。
だったらもっと堂々として「知るか!」と言える。

<知>は、余計な事は知らんでもいい権利を持っている。
だから、万能ではない。
だがな、「知ったことか!」は一種の背教である。
神さまは、甘やかしてはくれるでしょうが、赦してはくれないんじゃないかとおれはびくびくしている。
少しばかりの言葉を覚えたばかりに。

 言葉なんかおぼえるんじゃなかった
 日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
 ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる
 ぼくはきみの血のなかにたったひとりで帰ってくる
    田村隆一「帰途」

そんな「きみの血」がひとりでもあればいいんだがね。
ない?
なければ、えんやこら今夜も舟を出せ。