別れといえば昔より
 この人の世の常なるを
 流るる水を眺むれば
 夢はずかしき涙かな  島崎藤村「惜別の唄」
まことに〽昔恋しい銀座の柳のノスタルジーは、はずかしい。
ですがね、「歴史とはつまるところ思い出だ」と小林秀雄は言った。豊かな歴史とは、そうすると思い出の豊かさということになる。せいぜい貯め込んだほうがよろしいかと。

無常の世、惜しんでも滅びるものは滅びる。
それらにおれたちが与え得るものは、惜別である。
けれど、忌まわしく棄てられたものの菩提はどう祀られる?
それらは取捨選択されるので、
にっちもさっちもいかなくなることは、まずない。

「惜別の歌」は、上の「明星ヒットソング全集 うたの世界1001曲」から。昭和52年(1977年)のもの。これにはちょいちょいお世話になっております。捨てなくてよかった。
わたしども任侠に生きるものとしてですね、ネットでちょっくらちょいと探すようなお手軽な卑怯な真似はしたくないのである。
断捨離なんぞナウな要するに貧窮民の真似は、できたらしないでいただきたくおもいます。
 こっそり言いますと、あたしは貧窮民です。
 貧窮民に余計なことを押し付けるのが今の世なんです。