ヘンリー・ミラーの『冷房装置の悪夢』読みましたよ。
相変わらず仕合わせな気分になりました。

《いまはもはやわれわれは、虐げられているもの、家なきものを救いたいとも思っていない。》

《すべて防備は攻撃への挑発である。》

アメリカは世界に「完全無欠」を喧伝してるんですが、どうして、ほころびがいたるところにあることをミラーは見届けている。それも鋭い突っ込みでなく、嫌味や当てこすりでもなく、もちろんまごまごもごもごでもなく、柔らかく批評しているのが好みです。
<鋭さ>は、そりゃあいいものでしょうが、
年寄りには「もういいや」になってしまいます。
まっとうな批評というのがどこかにあるはずだ。
どこかにあればねえ。