大野晋『日本語の起源 新版』(岩波新書1994年)読みました。
日本語の起源については、アルタイ語系とか、インドネシア・ポリネシア系・オーストロネシア系とかいわれていたそうだが、大野さんは、南インドのタミル語との近似を言い立てている。
文法が似ているどころではない。
墓制、文字以前のグラフィティ、機織り、稲作に関する語彙、近親の呼称、アメ(天)、祭る、祓う、あはれ等の単語の相似、五七五七七の韻律等々、考古学の成果を援用して報告している。

ロードと道路は似ているから同系だ、みたいな、
偶合を付会するようなものではなさそうだ。
7000キロの彼方からどうやって日本まで伝わったか?
大野さんは当時の大型手漕ぎボートはあったと言う。
紀元前5百年から2百年あたり。
陸路をテクテク歩いて稲作や鉄器を伝道するよりはるかに容易だったろう。
にしても、やまと言葉を変容するには百人規模で数隻移住して来ねばその勢力は維持できまい。

言語学には興味なくても推理小説が好きなら、たいへん面白く読めるでしょう。コナン君はすべての科学の子どもである。
 あとは頼んだ。