
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
(高村光太郎「冬が来た」)
近ごろそんな冬を呼ぶ方がめっきり少なくなりました。
ぬくぬくとしていられる冬よ来い、としておる。
腑抜けの冬がそんなに恋しいのか。
囲炉裏を囲んでおとぎ話でもやりなさい。
でなければ孤独を十分に愉しみなさい。
沫雪の庭に降り敷き寒き夜を手枕まかずひとりかも寝む
流行語大賞が、「アレ」だって?
「地球沸騰化」としなかったのは、恥ではないのか。
明日の文明がきっとなんとかしてくれる、ってか。
貪欲。儚い今の世を、せいぜい貪り食らう。
ちっとは恥ずかしいと思わないのか。
ああ、あれもこれもおれが悪い。
おれが安楽とおもっていることが
良からぬ方に転がってしまう。
安逸は罪なりや。