
「そんな神さまうその神さまだい。」
「あなたの神さまうその神さまよ。」
「僕はあの人が邪魔なやうな気がしたんだ。だから僕は大へんつらい。」
「けれども、もしおまへがほんたうに勉強して実験でちゃんとほんたうの考(かんがへ)と、うその考とを分けてしまへば、その実験の方法さへきまれば、もう信仰も化学と同じやうになる。」
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
そんな方法さえきめられずに、あっちがどうだからこっちもどうだと右往左往している。報復だ復讐だ、ホロコーストにはカウンター・ホロコーストだと。
敵は殺せ。敵国は、つまり敵だ。
人間は、殺したくてたまらない。
敵を措いているかぎり、味方は結びあえる。
さあ、きみは、丘の上にねそべって、洪水を待て。