小泉内閣メールマガジン222号(2/16)に、
次のような一文がありました。



  小泉純一郎です。



  先日、「世界によい影響を与えている国の第一位は日本」
 という世論調査がありました。去年10月から今年の1月まで、
 イギリスのBBC放送とアメリカのメリーランド大学が実施した
 もの。世界33ヶ国、約4万人からの回答を集計したものだ
 そうです。



小泉さんの話は、「観光日本」の紹介みたいな要領を得ない話で、
こんなんで世界によい影響を与えられるんかいな?でした。



はて、「世界によい影響を与えている国」の日本、とは?



マルコ・ポーロの『東方見聞録』、ではなかろうし、
ラフカディオ・ハーンの日本紹介、でもなかろうし、
フジヤマ・ゲイシャ? 違うでしょう!
トヨタヤホンダや、ソニー、ニコンでもなさそうだし、
そしたら、イラクへの派兵かな?
 (それだったら、アメリカがトップに立つはずだが。)
アニメ、かな?
それとも、「小泉の日本」でしょうか。



うーん、分からん。



ちょっと待てよ。
ひょっとしたら、日本国憲法? だったら、いいかも。



だったら、第九条、でしょうかね。
再録しておきます。



 (1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に
 希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使
 は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 (2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これ
 を保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



第二次世界大戦以来、「国際紛争」はなくなっています。
その代わり、国家間紛争(の火種)は消えていないし、
しゃしゃり出てくる他国もある。



世界大戦の可能性は、まずない、が、
某「ナラズ者」国家からテ○ドンが飛んでくる可能性はなくもない。
と御心配の方は多いでしょう。



きのうの新聞(2/20高知新聞)でも、
「(拉致問題云々で)日本政府が経済制裁を発動すれば、
強力な物理的対応をとる」と、ソノ国が言っておるとのこと、
おいおい、それって、テ○ドン一発お見舞いしてもようござんすよ」
ってことかい?



ありがとう。それにはおよびません、です。



こんな国をだれが作ったんだ?
戦略を立てたのは、スターリニスト(ファシスト)の国家首脳や、
国家官僚なのだろうが、それを生み出し、かつ追従したのは、
だれでもない、その国民です。



これは日本人の体験済みのことです。
お上のやったこと、わしらは無理矢理戦場にかり出された、
とは言わせません。
「一億火の玉」をみんなで唱和していたじゃないか。
なるほど、みんなで火だるまになっちまいましたなー。



あんまりかんばしくない戦歴でして、
どこの国にも、その二の舞は踏ませたくないものです。



日本国憲法の前文と戦争放棄の第九条を、ある人は、
「国民大衆の百数十万の戦争死によってあがなわれた
唯一の戦利品だ」と言いました。
あたしなんざ、近頃、涙腺がゆるいものだから、
思わず、ホロリときます。



どんな困難があろうと、(国家間)戦争だけは、金輪際やめよう、
という庶民の感情と決意がこめられているように思います、
 占領軍の意志は当然入っておりますが、
 言っておきます、そんなことはどうでもいいのだ。



意地でも、この条項は固守すべきだとぼくはおもいます。



戦後、アメリカの小判鮫のように生きてきました。
アメリカは恩着せがましくなく、食料を投入してくれました。
ぼくらやその前の世代は、かれらの善意によって育ったことを
忘れるべきではない。
ついでに、アメリカの「防共戦略」もね。



それでも独立国の体面を維持できたのは、
(要らん軍事費に財力を割く必要がなかったこともさることながら)
日本国憲法の<理念(ヴィジョン)>が、
世界を覆うべき<理念>になり得ていたからではないのか。
そうではないのですか、小泉さん。



そこを世界に強くアピールすべきではないですか、小泉さん、
「観光」なんぞに引き戻すことはないでしょうが。



世界遺産として十分に通用しますよ。
ユニセフに登録したら?
 一部、これは通用しないな、の部分はあるけど。