朝鮮民主主義人民共和国の人民は、
今ごろ歓呼の声で沸き立っているだろうか。
武器は思想を表す。
反「北朝鮮」の圧力に抗しうると考えられた「核武装」は、
針ネズミ状態のその国の装甲を厚くする以上の意味はあるのか。
あるんだな。
国民を統合するというメタフィジカルな意義がね。
体制(エスタブリッシュメント)の護持に集合していく観念は、
「貧乏をなんとかしろい!」という庶民の情意を引きずる。
「核武装」は、庶民のロマンでもある。
反「世界化」、反「パックス・アメリカーナ」のロマンです。
日本でもそうでした。
ロマンチシズムが戦争の淵源になるのです。
わき上がる「地下核実験成功!」の嬌声の裏側で、
明日の糧食の確保におおわらわの庶民が、
権力を得ることができればな、と僕は思う。
救うべきは、エスタブリッシュメントではなく、
この庶民らなのです。
この国の首脳連中は、完全に勘違いをしている。