【小泉内閣メールマガジン 第212号(11/24)】に、
次のような一節が掲載されていました。



● 改革の先にある「国・地方のかたち」を見つめて(規制改革担
 当大臣/行政改革担当/構造改革特区・地域再生担当 中馬弘毅)



戦後60年が経過し、地域コミュニティや民間の問題解決能力そし
て自立意識は、大きく高まっています。「抵抗勢力」という言葉が
ありますが、私は、「問題の解決は役所がすべき」、「役所に任せ
れば安心だ」といった国民一人一人の意識こそが、「抵抗勢力」を
生み出す源だと考えております。



アメリカのJ・F・ケネディーという大統領が、
「国があなたに何をしてくれるのか、を考えるな。
むしろ、あなたが国のために何をなしえるのかを考えなさい。」
と名セリフを吐いて、国中を感激させたことがありました。
ブラボー!



中馬某も、「名君」ケネディーを思い描いていたのでしょうが、
ご両人、なにか考え違いをしている。



民主主義とは、国民あるいは世界市民が「主」であり、
彼らが共同出資して「共同」に関する仕事を「役所」に委託したの
だ。しかも、(ここ100年ほどの歴史しかないのだが、)「主」と
しての軽重は、出資額には関わりがなく平等、というのが民主主義
が革命的であったゆえんです。



ですからね、日本国憲法にもちゃんと書いてあります。
 「すべての公務員は、全体の奉仕者であって、
  一部の奉仕者ではない。」(憲法第15条)



 日本では、「直接民主主義」はあまりなじまないでしょう。
 A派とB派に分かれてカンカンガクガク論戦しどろどろになるよ
 り、ここは一つお上に調停を委任しよう、というお国柄です。
 「遅れている」と言うよりも、アジア的な精神風土なのでしょ
 う。



身銭切って、調停役を雇っているのだ。
それが役所であり、公務員であり、議員先生らである。
今時分、赤紙で泣く泣く召し上げられた者はいなかろう。
皆、進んで「公僕」という仕事に就いたんぢゃろーが?
役所が公僕で、議員先生が選良だのは、ない!
どんな理念や野望を持とうが、基本は国民・市民・住民へのサービス
です。
「国家の危機」に処する起死回生のサーブに、
もし国民が反応しなかったら、
サーブの手順が間違っていたと腹くくり、
一緒に地獄へ落ちればよろしいがな。
国家が亡びるなんてことは、別段珍しいことではない。
聡明な為政者さんは、国民の成熟の策を取れなかったのだと観念
し、もって瞑すべし、であります。
南無阿弥陀仏。



今まで、さんざん、
「私どもに任せてくだされ。悪いようには致しませぬ。へへへ。」
と、資金(税金)引きずり回し、自己膨張を繰り返したあげく、
資金に枯渇の影が生まれたとたん、「役所に頼るな」だ。
そこらをキチンと総括した上でのセリフでなけりゃ、
「そりゃ、聞こえませぬ」だて。



「国家」の、もう一つの仕事は、
国民が国家に仮託した<権力>を、国民にお返しするという
「復路」を準備すること、つまり、
国民がそのような自己権力を持つことを醸成すること、です。
大袈裟で抽象的で上手い言い方ではないけど、
「政治」の大きなヴィジョンとして保持してもらいたいと思う。
時や良し、「双方向通信」とやらの黎明の時機ではありませんか。



国民の方は、とりあえず、お上の理念や野望には、関係ない。
日々の生活・明日の糧食に追い立てられるように生きているんだ!
その生活に「信」を置いているのである。
「中流意識」?
寝言じゃい!そんなもの。
生活財が少しばかり増えたので、浮かれていただけだろーが!
今や、「中流」は危篤状態だっての。



そこんとこを吸い上げられないようなら、
(上級・下級を問わず)公務員失格である、と申し上げたい。
一介の庶民・床屋(関田理髪店)政談家ナカムラではあるが、
生活者としての見識は持っておる。(笑)
それを舐めてもらったらいかんのである。
 あまり高級な見識ではないのかも知れんが。



民主主義と言うからには、「民・百姓・町民」が主、なんでしょ?
決して、「上級」共同体の国家が主なのではありません。
庶民が考えるべきことは、国家のためではなく、
自分の生活の方なのである。



 「俺の生活御安泰」ですか?
 だったら、国の行く末を案じてみてはどうかね。
 そりゃー、あんたは御安泰かもしれないがな、
 国は絶不調なんだよー。
 国民みんなが「抵抗勢力」呼ばわりされており、
 臣民=ナカムラ、大いに迷惑しております。



マックス・ウェーバーは「政治家ほか公務員はサービス業」
と言いました。(・・・ウソ、かな?)
あんまり偉そうな口利いているとはったおすぞ!ナロー
なのであります。



耐震強度偽装問題で大騒ぎですねー。
木村建設や総研やイーアイなんとかも、
みんな「この程度の追及なら逃げ切れる」と思っているでしょう。



もう3年ぐらい経ちますかね、
高知市に巨艦、ジャスコ・イオン高知が襲来したのは。
この建築もひどいものだったらしく、
高知の建築業者は「こんな予算で建てれる訳がないぜよ!」って、
みんな手を引いた。
地元業者優先の顔をしていたイオン、
「それならようございます」てんで、北海道から何県から、
潰れかけみたいな業者かき集め、堂々竣工巨大ショッピングビル!



今日(12月17日)は、長兄の四十九日祭。
この話は、その席で、甥っ子の中華料理店の主から聞きました。
建築中、業者さんらがよく来る。
彼らから、「曲がった鉄骨とか、ひどい部材を使うとるんだわ」
などと、聞かされたらしい。           2005.12.17