太宰治の『津軽』を久しぶりに読みました。
酒飲んで布団に入ってから読むもんで、読了まで10日以上かかった。
なにせ、活字を見ると15分で眠くなります。



 青森は大好き。



 20年ほど前の10月初頭、でした。木になっているリンゴを初めて見ました。ぼんぼりのように発光している木の実は見たことがない。この世のものとは思えなかった。リンゴの実とサボテンの花は、浮世離れした怪異のものであります。



070514  合浦(がっぽ)公園、イタコっちさんの散歩コースでもあるそうです。金木の太宰は青森の中学校に入学し、行き帰りにこの公園を通った。ぼくはこの浜でオウム貝の貝殻を発見し小躍りしたものです。残念でした、地元でタコガイと言われているものでした。オウム貝(学名:ノーチラス)ではないとしても近縁種だとは思います。『海底二万哩』のネモ(どこにもない、の意)船長の潜水艦はノーチラス号でした。この艦の造形もお気に入りです。
 
 高知は、山から足を踏み外すとそのまま海へ転がり落ちるほかないのですが、青森は平地があちこちに開けており、偏狭さがまるでない地勢であることにまず驚きました。大阪や名古屋や東京のような、ただなだらかで広大な沖積平野でもなく、ちゃんと山を要所に配置した平地を多く確保しています。



 奥入瀬、十和田湖、恐山、金木(太宰の生家、現「斜陽館」)、五所川原(知人の対馬力氏邸で一泊)、竜飛岬、小泊、等など、行きずりの観光客として一通りの所をほっつき廻りました。当時の写真が発見できれば、また書くこともあるでしょう。まっことええとこやぞ。



 太宰の『津軽』を追跡した写真集が東奥日報あたりから出版されてはいまいか。あれば手に入れたいものです。