田園の憂鬱 田植えの終わった田んぼには田の神さまがただ独り。この季節は最も苦手です。空気中が湿気だらけ。老朽した我が家が日に日に腐っていくのが分かります。『方丈記』のような達観もできず、これから梅雨のあけるまで鬱々とした日々が続くのです。あ、『方丈記』は達観の書ではなかったか。恨みの書であった。これは森繁久弥から教わった。