酷暑の候も過ぎ、しのぎやすくなりました。
いかがお暮らしでしょうか。
あなたのお暮らしには関係ないことですけど、
うちとこのIT生活を担っている(笑)PC9821 VALUESTAR V13
のディスプレー(CRT)がね、
パソコンブームに火を付けたWindows95の名機がね、
よさこい祭り以来浮かれ続けてプルプル震えて踊ってます。
痙攣、と言った方が正確でしょうね。
おそらく死ぬまで踊り続けるでしょう。
PC9821 舞踏病で死す。享年九歳---、かよ。
♪踊るあほうに見るあほう
同じアホなら踊らにゃ損々。
うん、その通りだ。
命を過度に燃やす時機、もあろう。
諸兄姉にだって、そんな季節もあったでありましょう。
あなたの最も輝いていた季節であるし、
斜めから見たら、最も薄汚い季節でもあります。
薄汚い方は、
既にとっとと記憶から消去(wipe)されているでしょうがね。
何の役に立ったのか分からんし、悔やんでみたってもう遅い。
永遠の太陽は、永遠に去ってしまった。
ただ、その残り火が、今のあなたの内燃機関の燃料になっている、
とは言えるでしょう。
それがあなたの寿命を延ばしたかどうか、は知らんです。
「目覚むればただに荒涼」(太宰治)
祭りの後は、そうしたものでしょう。
祭りの後まで考えるにはおよばないだろうさ。
そうでなければ、「後の祭り」という言葉が生きる訳がない。
ものごとには、「はじめ」と「おわり」のサイクルがあり、
その結節点の発見が祭りであった。
タマゴが先かニワトリが先か、というスコラ的な論争を真似れば、
「祭り」の起源は、シーズンの始まりを言祝(ことほ)ぐものか、
シーズンの終わりを悼むものか、どっちなんでしょうか。
祭りと言うからには、目出度さが最初に来るはず?
必ずしもそうとは限らない、とワシは思う。
考えられる起源の一つは、言うまでもなく、
共同体の安泰や、子孫の繁栄や収穫を祈願すること。
(アルタミラの壁画とかは、
想うことが即ち収穫の予兆だと考えられていたことを示しています)
想えば実現するのか?
ドリーム カム トゥルー、と申します。
古代では、「想った」から収穫があったのだということが
なんの障碍もなく通用していた。
収穫がなかったのは、「想い」が足りなかったのだ。
「想い」や言葉の呪力・威力は、ご存知のように
現代人の考える以上に力を持っていた。
現代人は、「想い」の持つ構成力を衰弱させてしまった。
が、「言霊(ことだま)」は、まだ絶滅しているわけではない。
あなたの想いや言葉が、「現実」を引きずり寄せる。
ってことも、人類史だからこそあるんです。
「理想」とか「理念」とかいう言葉もあるじゃありませんか。
問題を一つ。
わたしの眼(脳髄)に映っているものこそ現実である、
と皆さんお考えでしょうけど、精神疾患者も、そう思っているんです。
正常者と自認しているあなたは、
どこで「妄想」(ではない)と区別する・しているおつもりでしょうか?
「妄想」によって苦しんでいるのか、
「現実」によって苦しんでいるのか、
さあ、あなたはどこで分別しているのでしょうか?
宮沢賢治は、特異な認識論を持っていたようです。
『銀河鉄道の夜』のジョバンニは、
居なくなったと思ったらいきなり帰ってきた鳥捕りに訊く。
「どうしてあすこから、いっぺんにここへ来たんですか。」
鳥捕りはこともなげに、つまり何の不思議もないように答えます。
「どうしてって、来ようとしたから来たんです。」
ジョバンニは「あたりまへのような、あたりまへでないような」
おかしな気分になります。
「あたりまえ」だったら、このままどこまでも行ける。
「あたりまえ」でなかったら、
近いうちにカムパネルラと別れねばならないだろう。
この予感がジョバンニの「おかしな気分」です。
賢治には、この手のハイパーな感応力を示す所がいっぱいあります。
想うことが即ち完成・実現(と同じ)であるような世界を仮想していまし
た。と言うか、それが彼の悲願であり、
そういう「約束」である(はず)だと考えていました。
よく知らないんですが、日蓮宗の世界観でもあったかな?
時空は想念によってジャンプしうる。
むしろ、想念によって時空は作られるのだ、って。
「ハイパーリンク」の旗手だったんだ、宮沢賢治は。
野っ原でいきなり踊りだす賢治を伝えるエピソードがあります。
「宇宙感情」(賢治の言葉)の「節奏」と感応したんでしょうねえ。
天の岩屋戸に籠もった天照大神の怒りを鎮める舞を踊った
アメノウズメノミコトよりも、もっと古い舞踏を伝承していたのが
ダンサー=賢治だったと僕には思えます。
舞踏は、火や言葉を使うもっと前から、
神なんかいない時代から、
人類の発生を根拠づけたものではないでしょうか。
次回へ続く、つもり。
マタローさん、野村さん、蒼二さんへ。
タケイ宛のメールになりそうなのに、彼のアドレスが行方不明です。
御存知でしたら、転送願います。
何とかして、<舞踏>まで辿り着けたらいいな、と思っています。
うまく行けそうにないですけどね。