課題はつぎのようなものでした。
「コンピュータの課題をなるべく素人っぽく述べよ」
まるっきりズブの素人ではないので、ちょっと困る。
1.自己修復と回路設計
ウィルスなどによるファイル破壊に抗して自動修繕しうることと、
脳の神経細胞がシナプスを伸ばし多層的な情報処理回路を作って
いくことを模した回路設計を自ら行うこと。
『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督)の宇宙船
ディスカバリーのコンピュータ"ハル”はその機能を持っていた
(らしい)。
2.エコなコンピュータ
コンピュータは電気のオン・オフというデジタル信号で計算する。
回路の細線化を推し進め、電子一個で信号の有無を検出できるよう
にする。熱として排出されるエネルギーをセーブするか、回収する
か、どちらかである。
世界中のコンピュータが何基の発電所を消費しているか?
このことも是非考慮してもらいたい。
ただ便利な世の中になったもんぢゃと嬉しがってばかりなのもねえ、
どうかと思います。
3.「あいまいさ」の数値化
これは現代、ファジー理論とかで実現しつつあるが、
「美しさ」「悲惨さ」など人間固有の「感情」までは途方もない
距離がある。この膨大なデータを処理できるコンピュータは
まだない。
4.光コンピュータと並列処理
電流の代わりに光を用いるコンピュータが考えられている。
一つの系列としての処理速度は同等だとしても、
脳が実際行っている多層的な並列処理に近いものが実現しそうだ。
コンピュータが速度を競っているなら、多層的並列処理を実現
するしかない。
5.パターン認識
個人識別が顔で出来るようになった。「笑顔」をキャッチできる
カメラも実用化された。だったら、美術を鑑賞したり、文学を読む
コンピュータもありえるかもしれない。
フロイトは夢のパターンを分析して「夢判断」した。
「論理ガ破綻シテオリマス」とか「文体ガ、クドイ」とか批評する
コンピュータが近い将来出現するでしょう。
6.情報
コンピュータの思想は、「あらゆる事物は情報である」「モノとは
モノに関する情報である」という形而上学です。いま、コンピュータ
はその情報をバクのように貪り食らっています。人間が産んだ生きて
いるバクのように。
人間が幸せになるかどうか、とは、まったく別の生き物のように
増殖している最中ですが、もちろん、人間の幸せに奉仕するもの
であることは間違いありません。
7.人工頭脳へ
コンピュータは脳の模写に無限に近づく。「虹の彼方」は人間の脳
です。エネルギー消費効率がもっとも良い運動は脳です。と同時に
生命史の蓄積(ぼくは宇宙史と言った方がいいと思うが)でもある。
それを理解できたら、「人口知能」は出来ます。
人間が自ら恐怖する「神を恐れぬバベルの塔」となろうがなるまい
が。そう言えば、人間は「恐怖」も自分で創出したものでした。
人間の意識は、つまるところ自己対象化です。「自然」から 疎外
された「余所者」あることがその出典です。←マルクスの『経済学
哲学草稿』参照のこと。
模写、鏡、人形、この系列にコンピュータはあります。
埴谷雄高だったら『模写と鏡』というタイトルでコンピュータに
ついて絶妙な本を書いてくれるのでしょうが、残念です。
昨夜、アップしようとしたらいきなり「更新ファイル」が押し入ってきて、再起動をせがむ。
時間がかかりそうなので「シャットダウン」し、
そのまま寝てしまった。
・・・今朝、まだ「シャットダウン中」でした。
電源プラグ引っこ抜いたのは言うまでもありません。