書斎から見る十六夜(いざよい)の月。
これもまた、おつなものでございます。



私も、若い時分は、よくオオカミ男に変身したものです。
「いや~ん。今夜は、き・ょ・う・ぼ・う」なんてね、
娘っこに恐れられたものでげす。



今宵は、静かに、ぬる潤で、
かつての罪業の数々をば禊(みそぎ)して、
月を愛でているのか、罪を数えているのか、分からぬが、
♪as time goes by.



  流れる水のように恋も死んでゆく
   恋もまた死んでゆく
  生命(いのち)ばかりが長く
  希望ばかりが大きい



   日も暮れよ 鐘も鳴れ
   月日は流れ わたしは残る
         (アポリネール「ミラボー橋」堀口大學訳)



ミラボー橋の下 セーヌは流れる。
今宵の月も、時間と空間の交点を幽かに照らしているんだよな。
                        2002.9.22