ぼくはいつもあなたのそばにいた。
あなたは気づかなかった。
そばにいたって、遠くを見ていれば、おんなじ。
あなたはいつも一人ぼっち。
ぼくだっていつも一人ぼっち。
雨の日は濡れ、晴れの日は乾いていた。



あなたの死んだ日、ぼくは濡れていた。
ぼくが生きていたってあなたの死を吸い込めはしない。
あなたの神さまだって止めようとはしなかったじゃないか。



あなたのヤハウェさまよりぼくの方が偉大だよ。
あなたの費やした神さまよりぼくの方が長生きしたからね。
ぼくの方が、勝ちだ。



勝ったぼくより、なお遠くあなたはいる。
ここまでおいで、と。
あなたの神さまには勝てるけれど、
あなたには、とうとう勝てないだろうな。
先に死んでしまった方が勝ちだからね。



ずぶ濡れの悔恨を捨てられもせず、
いまだに見知らぬまちを彷徨っているぼくに、
ぼくの神さまは恩寵を与えてくれないままだよ。