歴史人口学で見た日本。 | 日本がつまんない?!んなわきゃ!

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=== このブログを本棚にして、読んでみた新書を並べてみましょう。===

速水融 『歴史人口学で見た日本』を読みました。

この書は、著者の歴史人口学研究の紹介と研究の将来への希望を

つづったものでした。

日本の奇跡的に残っている古文書を

どのように残すか、デジタル化の徐々に進む技術のなかで

様々な古文書の価値を発見していくには

着眼点の新鮮さで歴史的価値を上げていくことを思った。

 

著者の研究の信州 諏訪地域の農村の書籍を読みたいと思ったが

またそのうち手にしたい。文庫本にでもなってくれないものか。

 

この書のなかに、少しだけ紹介文としての諏訪地方の農村の状況を

知ることができ、海岸方面へ働きに行っていたのではないか

とのことで、現在残っている寒天産業などとのつながりを

考えることもできる。

 

江戸時代の人口移動は難しかったとはいえ

周辺の村々への嫁入りなどは

農村においても大切な働き手の維持に

重要だっただろう。

 

しかし、東北の農村での人口コントロールは

NHKドラマ「おしん」でもよくわかる。

もちろん文字を読み書きできる人材が書記として記録する前の時代。

狩猟採集と畑作、稲作の自然任せの長い時代。

縄文時代、古墳時代と人々はどのような生活領域感覚で生きていたか

想像すると興味深い。

 

私たちの人口減少社会の斬新な構想を考えることもできるかもしれない。

 

カルロ・ギンズブルグ (杉山光信 訳) 『チーズとうじ虫』 みすず書房 2012

アラン・コルバン (渡辺響子 訳) 『記録を残さなかった男の歴史』 藤原書店 2001(未読

ナタリー・Z・デーヴィス (成瀬駒男 訳) 『帰ってきたマルタン・ゲール』 平凡社ライブラリー 1993(未読

エマニュエル・トッド (石崎晴己/東松秀雄 訳) 『新ヨーロッパ大全』 I/II 藤原書店 1992/1993

長野大学産業社会学部 編 『地域の暮らしと環境』 郷土出版社 1996

南原公平/若林傳 『新版 信州歴史の旅』 令文社 1987

エリス・ピーターズ (大出健/岡本浜江/岡達子 訳) 『修道士カドフェル』 1-21 光文社文庫 2003/2004/2005/2006

平田伊都子 『南仏プロヴァンスのジプシー』 南雲堂フェニックス 1995

藤森栄一 『古道』 講談社学術文庫 1999

 

速水融 『歴史人口学で見た日本』増補版 文春新書 2022