いま、なぜ地方分権なのか。 | 日本がつまんない?!んなわきゃ!

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=== このブログを本棚にして、読んでみた新書を並べてみましょう。===

西尾勝/新藤宗幸 『いま、なぜ地方分権なのか』を読みました。

この書は、日本の地方分権(事務分散)を進めた先生方の

討論形式の記録です。

先生方の考えるところは、

分権化の向こうに

日本の政党政治の健全化

のようなところ、

政治家の行政官僚を動かす

「政治主導」を

念頭にしていたよう。

一党優位のなかでどうにも上手くいっていないけれど。

 

現時点では、政党の健全化は二政党政権交代制のようなことには遠く

寄らば大樹の陰のような感じで

またまだまだ年寄りの政治家が上のほうで長々と政治の経験者として

古い態勢を続けている。

若い、または当選回数の少ない議員は若い学生のようになる。

 

日本人の上下関係の文化なの

だろうか。

 

地方はどうだろう。

地方議会は、政党制の左右のような政策判断ができるだろうか。

より生活者の声を聴く、日常のなかで

地方議員たちは、身近な声の大きな人物の課題に関わることになる。

徒党を組むには様々な能力を集める習慣に欠ける。

 

地域の高校を卒業すると都市部に

進学し、また就職し。

地域から離れることになる。

地域の移り変わりに関係しないまま

疎遠になる。

 

仕事の都合で他の地域に移住しても

その地域の行政や政治にかかわるには、仕事の勤務上

地域を知ることにも難しい。

 

日頃から地域の人材の受け入れ態勢と

情報発信を頻繁に行う

必要があるだろう。

 

優秀な地方行政官、地方公務員

が何人かいたら

地方議員はどのように必要となる

でしょう。

 

 

相川俊英 『トンデモ地方議員の問題』 ディスカヴァー携書 2014

同著 『奇跡の村』 集英社新書 2015

同著 『地方議会を再生する』 集英社新書 2017

ハーバート・A・サイモン (二村敏子/桑田耕太郎/高尾義明/西脇暢子/高柳美香 訳) 『経営行動』 ダイヤモンド社 2009

ハーバート・A・サイモン/クラレンス・E・リドレー (本田弘 訳) 『行政評価の基準』 北樹出版 1999

ロバート・A・ダール (河村望/高橋和宏 監訳) 『統治するのはだれか』 行人社 1995

辻清明 『日本官僚制の研究』 東京大学出版会 2001

西尾勝 『未完の分権改革』 岩波書店 1999

同著 『行政学』 有斐閣 2001

西尾勝/岩崎忠夫 編 『地方政治と議会』 ぎょうせい 1998

F・A・ハイエク (西山千明 訳) 『隷従への道』 春秋社 1999

エーリッヒ・フロム (日高六郎 訳) 『自由からの逃走』 東京創元社 1998

松下圭一 『「 2000 年分権改革」と自治体危機』自治体〈危機〉叢書 公人の友社 2013

 

 

西尾勝/新藤宗幸 『いま、なぜ地方分権なのか』 実務教育出版 2007