昨日、初めて新紙幣を使っている人を見かけました。今月初めに新紙幣流通がニュースになっていたので、かなり遅れています。普段の生活から現金使用が少なくなっているという意味で自分が進んでいると言えないこともありません。
新紙幣導入が発表されたのが5年前。その時には「5年後に導入」とされていたので、約束を守るという点では日本の政府は正確だったということでしょう。
ここでも2019年4月26日に書きましたが、旧紙幣に使用期限を設けている国があるので、今回の新紙幣導入を機に、日本でも旧紙幣が、という噂もありました。さすがに、そこまで乱暴なことはしなかったようですが、タンス預金を銀行に持っていこうとして大量の旧札を持ち出すと、タンス預金であったことが明らかになるので、課税逃れの摘発には有効でしょう。表立っては何の違いもないように見えて、ジワジワと国民の財布の中身を覗いて管理していこうというのも日本政府らしいと思ってしまいました。
紙幣の図案に使用されている人物が今回新しくなりました。偽札防止とか説明されているようですが、実在の人物を紙幣に使うのは個人的に賛成できません。小さい頃慣れ親しんだ聖徳太子なら写真も残っておらず、半分「伝説」がかっていて紙幣に威厳があったのですが、写真も残っているような実在の人物だと、あまりにも現実的過ぎるように思うからです。もちろん聖徳太子も実在したのでしょうが。
自分のような凡人に比べると新紙幣に登場しているのは高潔で素晴らしい人物であることには違いありません。でも実在する人物になると、それがいかに偉大な人物でも欠点の一つもあるはずで、逆に欠点が全くない人がいたら、それはそれで不自然です。そうした欠点がある存在を意識することで紙幣の威厳も結果的に失われてしまうように思うのです。
猛暑でぼんやりする頭で懐古趣味になってしまい、自分も歳をとったものだと改めて自戒しています。