このblogで今までいろんな釣りのテーマで記事を書いてきたが、フライフィッシングについて言及するのはこれが初めてである。

 

私は釣り歴半世紀近くになるが、初めてフライフィッシング(キャスティング)というものに触れたのが(書籍とかではなく体験)1978年か1979年、当時中学生だった私(年齢がバレる)がバス釣りを始めた頃、当時良くお邪魔してた釣具店の店主がフライフィッシングを始めたという事で、その時にいたお客さん何人かで店の外で体験会をしたのが最初である。

 

ちなみに、フライフィッシングというものについては、その頃の私のバイブルでもあったダイワ ルアー・フライという書籍でなんとなくは知っていたが、ルアーのバス釣りしか眼中になかった少年には、これは大人のやる釣りであって自分達には縁の無いスタイルだと思っていた。

 

その時お借りしたロッドはメーカーは忘れたが、ずっしりと重たいグラスロッドでライン番手は不明。

この日は、店主も始めたばかりで、私含めて体験者みんな案の定まともにラインが飛ばない

 

一番知識があった店主からロッドの振り角が時計の2時から10時までという事は教えられたものの、みんな「遠くに投げたい」という気持ちが強いので、無意識にバックキャストが2時どころか3時、4時くらいになっている。ただ、フォワードキャストは目で見えてるので意識して10時で止める事は出来てもバックキャストが振り過ぎなので、ラインが後方に直線的に伸びてなく、そのまま前に力いっぱい振っても飛ぶわけが無いのである。

いかにも近年の先生達のレッスン動画で使われそうなシーンであるが、その時は先生もいないし、当時はYouTubeはおろかビデオという物すらも無い時代なので、誰も修正すべき点がわからない。

 

私はロッドを振ってるうちに、時計の針の事なんか一旦忘れて、「ラインの動きだけ」に注視して、ロッドを振るようにしてみるうちに、バックキャストを振り過ぎなくすると真っすぐ伸びるという事に気がついた。

時計でいうと12時。つまり真上に旗を揚げるような感覚でロッドを止めるというように意識をしたら、自然とラインが後に真っすぐ伸びるようになった。

不思議な話、自分の意識は真上だったのに、実際は1~2時くらいのベストの位置で止まっていた。

その状態で前に振れば自然にラインは前にスルスルと伸びた。

 

実質10分ほどの体験であったが、こうすればラインが真っすぐに伸びるというフライキャスティングの本質(人によっては違うかもしれないが)を誰からも教えられる事も無く自分自身の感性から得ることが出来た。

 

以上は私の経験した例で、何かの拍子にたまたま感覚を掴めたわけであるが、誰か(本質をわかってる人)に見てもらって修正する事がもちろん早急に上達する導きになるとは思うが、結局他人がみて「ベター」だとして褒めちぎったとしても、本人にはいまいち実感が湧かないってあると思う。

結局、大事なのは自分の感覚を研ぎ澄まして得られる動きであり、私がその時に得た「これだ!」という感覚は今でも覚えている。

 

ブルース・リーの「Don't think Feel」が武道ではなくまさかの「釣り」に現れてしまった私であるが、この体験を皮切りにフライフィッシングにのめり込む、、、

 

事はなく、再びフライロッドを握るのは、しばらく先になる。

 

その②に続く