過去blogでブルース・リーやジークンドーのネタばかり書いたが、実は少年時代から香港功夫映画全般的に好きで、ジャッキー・チェンはもちろん他の主役級の人や敵役や脇役の人の知識等が、かなりマニアックな域に達してると自分では思っている。

 

不思議なもので、学業で暗記した記憶って(使わなければ)大抵消えるが、こういう(好きで覚えた)記憶って、今でも消えずに残っている。

(まあ、やらかしてしまったという嫌な記憶も消えないが・・・)

 

それはそうと、ジャッキー・チェンの映画といえば日本では最初に酔拳が一世風靡して、その後はその人気にあやかって、それよりも以前に出来た少林木人巷や蛇形刁手などに日本公開用の題名としてそれぞれ少林寺木人、蛇、といういかにも酔拳の新シリーズきた~!と思わせるような、いわゆる拳シリーズというのが乱発連発される事になる。

 

中には、これらの拳シリーズが出尽くした頃に、まだ(整形前の)売れる前のジャッキー・チェンが主役ではなく脇役でちょこっと出演したような映画までも買い取り、それに強引にジャッキー・チェンの〇〇拳という名のエサで客を釣ったりしたりして、当時少年だった私は大人の金儲けのよろしくない部分を勉強させられた。(ブルース・リーの電光石火もそれに違いが)

 

さてさて、この拳シリーズ。


代表的な酔拳や蛇拳といえばコミカルな演出、アクロバティックなアクション、殺陣は映画向けとはいえかなり洗練されている、という新しい要素の融合が今までの格闘技映画には類がなく、この新しい表現が格闘技に興味がない層とかにも受け入れられたんだと思う。

 

個人的に酔拳も蛇拳もすごく好きであるものの、実は一番好きなのが龍拳なのである。(唯一Blu-Rayを買った)

 

酔拳と同時期に平行して撮影されたと言われるこの映画。

 

前述したコミカルな要素なんか皆無で、敵討ちというテーマで話が進行する。

監督はあのブルース・リーの危機一発、怒りの鉄拳の監督でもあるロー・ウェイ

 

ロー・ウェイ監督の映画にあるあるとでもいうべき、敵討ち、裏切り、バッドエンド、そのすべてが盛り込まれている。

終始シリアスな展開なので、あの石丸博也氏の吹替が違和感ありまくりなのは言うまでもない。

 

個人的にこの龍拳の何が良いかと言うと、シリアスな雰囲気も含めて、殺陣の見せ方、演じ方がとてつもなくかっこ良いというか、私好みなんである。

武術大会のシーンに合わせたOPクレジット(日本劇場公開版には無かった)の演出も良く、それに続く2人の師匠同士の手合わせでみせた、サンタイ役のチョイ・ハー(徐蝦さん、酔拳の棒のおっさんね)の最初に左を向いてる不思議な構えに異様に感動した覚えがある。

↓これ↓

 

もちろんジャッキー本人のアクションシーンも酔拳と掛け持ちで出演した思えないほどクオリティ高いと感じていて、意味不明な〇〇の型(動物や仙人とか)とかではない、飾りのないコンパクトな動作の攻防が、よりリアルに感じる。

 

酔拳、蛇拳を観た時点でジャッキーってアクロバットや小技が上手いのはわかっていたものの、功夫(殺陣)においては、やはりブルース・リーが一番だと思ってた私が、この映画を観てからジャッキーって、功夫がこんなに上手かったのか。と思ったほどである。

しかも、あのファンカン役のジェームズ・ティエン(田俊)までもが上手い人に見えてしまうんだから凄い。

 

個人的にこの龍拳の中で、もっとも好きなシーンが序盤の寺院周辺を散歩してる時にヤンキー(?)にからまれるこのシーン。

 

 

からまれてるところに、チュウピン役の林銀珠(リン・インジュ)が止めにはいるものの、逆に襲われてしまい、不利な状況になろうとしてた時に、、、、、

 

(W1)

 

それを見かねたホーエン(ジャッキー)が助けに入る。

※日本劇場公開場ではここであの音楽が流れる。

(この演出を入れた日本のスタッフさん良い仕事をしたと思う)

 

 

この一撃の後に、服を後ろにまくり上げて帯に固定した後に(この動作がまた最高)

 

カットがチュウピンのアップに変わる。

 

(この人何者!?という表情)

 

ずばりこのカットが私の選ぶ龍拳ベストシーンだったりする。
 
そして、ヤンキーたちはあっけなくホーエンにボコられてしまってこの場は終了するわけである。
 
この映画の主人公ホーエンは、師匠を殺されて3年後に敵討ちをすると決めて(3年後の)この日を迎えるのであるが、ジャッキー映画の定番である修行のシーンが一切無い
しかし、(見飽きたような)修行のシーンなんか無くても、このわずか数分の悪漢を圧巻するシーンで、3年間どんな厳しい修行をしてきたのかが容易に想像出来る。
(この割り切りをしたロー・ウェイ監督の構成は良いと思う)
 
まあ、この時のホーエンはそれほど強かったわけである。
 
(W2)
 
 

(この構えも良かった)

 

ちょっと余談で、YouTubeで昭和クラブさんというジャッキー・チェンの映画や他の香港映画についていろいろと深堀をして発信されているYouTuberがいらゃっしゃるのだが、私が知らない事も多く勉強させて頂いている。さらに小学校まで福岡で過ごした私は、この人達の博多弁の口調が懐かしく、話す内容にもユーモアもあり、いつも楽しませてもらっている。

 

最近、この人たちが新規の深堀ネタが無くなったのか、晒します というテーマで、他の視聴者さんから頂いた情報などを元に、特に役者のダブル(あるシーンだけ代役)を紹介してくれるトークがあり、これはこれで面白い。

 

最後に、せっかくなので、私もこの龍拳でたまたま見つけたダブルと思われるシーンを晒して終わりにしようと思う。

 

まず、上の紹介カットの(W2)のシーンの白い人が(W1)の本来の俳優さん(シュー・ユエン)と違うと思われる。

(動いてる映像だと、横顔と髪形が微妙に違うのがわかる)

 

あと、もう1つ。

 

ラストでホーエンがブチギレになるシーン。

 

連続ネコパンチを食らう水色の服のロウサンの役は王光裕さん(拳精の僧侶役の1人)のはずが、

 

あれ?

 

 

なんとなく、、、

 

 

と思うんだがどうだろう。

 

昭和クラブさんにDM送ってみようかな

(でも面白みに欠けるか・・・)

 

おわり