今回はロッドハンドルの話でも。

 

そもそもこのパーツ、日本では○○グリップというような呼ばれ方が馴染み深いと思うが、本場アメリカでは Rod Handle という名で売られてるケースが圧倒的に多いので私も自然とハンドルと呼ぶようになった。

ちなみに、グリップ(Grip)というのは、手で握る部分のコルクやラバーだったりする部分に関してそう呼ばれる事が多い。

 

そんなどうでも良い話ではなく、過去に私が愛用してきたロッドハンドルの遍歴の紹介を。(それこそどうでも良い?)

 

私が初めて買ったベイトロッド(UFM FB-55M/C)のハンドルがフジのこのLPといわれるタイプ。

当時のスピードスティックや他のロッドもほとんどこれだった。

私が買ってからすぐ後に、握り部がいわゆるロブスタータイプに変わった。(後で知った)

 

次にロッドがレスターファインになり、同じフジでもGAコネット&コルクグリップになった。

このハンドルと2500Cの組み合わせが最高の握り心地だと長期間思い込んでたが、その後にスーパーストライクのFO-60を入手してから、フェザーウェイトハンドルの低いオフセット位置によるキャスト時の親指の高さ、パーミングのしやすさに感動する事になる。

(スーパーストライク FO-60(初期型)の標準ハンドル、ガンタイプというのか?)

 

それ以降はフェザーウェイトハンドルの虜になってしまうわけであるが、ストライクFO-60標準のガンタイプのコルク部の握り心地(キャスト時の)が個人的にしっくりこなく、別で購入したストレートタイプを好んで使っていた。

特にボートから大きなプラグをメインで使う時はセミダブルでキャストは(右手)片手投げだが左手を軽く添える事によりキャストが安定するし疲労も少ない。

(ストレートのセミダブル)

 

その後、ラバータイプや、ストライカー後期のラッパ型のコルクのタイプも試したが、やはりストレートが良い。

 

フェザーウェイトのハンドルは、私の時代は写真のCHAMPIONの刻印が入ってたタイプ(いわゆるチャンピオングリップ)しか売ってなかったが、それよりも前の時代にいろいろなタイプが存在してた事を知る。

 

特に60年代のフェンウィックにも標準装備されていたオールアングルタイプや、オールアングルにも何種かのブランク形状があり、エンドキャップの種類もいろいろで、さらに初期のアルミ地のタイプ(この中でも塗装付きやヘッドキャップの違いなどある)など、私が把握してるだけでも相当な種類がある。

これらは手元にあったオールアングルハンドル各種。

 

細かい製造年とかはよくわからないのだが、おそらく一番上のは比較的初期のタイプでヘッドキャップ先端が細い。

一番下がフェンウィックに標準装備されてたタイプで、ヘッドキャップの素材が黒くて大きくて重い。

 

中古で入手した場合、ハンドル部やキャップが交換されてる可能性もあるので、私的な見分け方の1つとして、同じ形のブランクでもトリガを固定する穴が2個ある方が初期だと思われる。

 

オールアングルタイプのブランクの側面の段々形状違い3種。

真ん中の1段タイプは初期のアルミ地タイプ同様の金型っぽくリールシート下部面が平行で、他のは斜め(分厚い)である。

私が持参してるのはこの3種のみだが、1段タイプでも下部が斜めのタイプを見た事がある。

これについての他のパターンや年代などは不明。

 

フェザーウェイトのハンドルは、オフセット位置や握り心地は最高なんだが、誰かも言ってたがフェザーウェイトという名の割には軽くはない。

特に後期のチャンピオンほど強度アップのためか肉厚になって重い。

 

ちょっと余談で、強度について。

良くフェザーウェイトハンドルが折れたという話が多いと聞くが、幸いにも私自身はそういう経験はないし、周りの釣り仲間にも折れた人間はいない。

2000何年だったか忘れたが琵琶湖でバストーナメントが開催されない時期があり、その恩恵か岸からトップでデカバスが良く釣れた時期があった。毎回大きな魚が釣れるので私はダブハンドルのスミスのFL-59H(リリーパッドハスキー2)を使い、足場の悪い場所で真ん丸な50アップのバスを抜きあげたりしても大丈夫だった。

まあ、とはいってもオープンウォーターのバス釣りの範疇での話なので、ヘビーカバーの雷魚ゲームで酷使してきた人からすると、レベルが低い話かもしれないが。それはそうとしても、

私が思うのは対処魚の大きさやカバーの有無、PEライン、さらに使う人間がマッチョだとかよりも、ロッドの使い方というか、力の入れ方、持ち方次第で、瞬間的にグリップにかかる衝撃力はずいぶん変わると思っている。

 

このグリップに限ったことではないが、ロッドを折る人って、本当によく折ると思う。

フルドラグでロッド曲げて限界値を超えて折れてしまうのならまだしも、鬼フッキングの瞬間や、鬼キャストの瞬間でも折れた例をよく聞くし、実際に私も目の前で何度か見たこともある。

特にフッキングで折れるケースは、おそらくアドレナリンが分泌して常人離れした加速度により瞬間的にとんでもない衝撃力がかかってるのではないかと思う。

さらに、そういう人ってヒット後にリールのハンドルを回すのも猛烈に早かったりする。(気持ちはわからんでもないが)

 

話を戻し、年齢と共に体力も落ち、リールも1500Cや2500Cがメインになった私には、少しでも軽くてコンパクトで、見た目もアルミ地で質感が高そうな初期型のタイプを入手する事になる。

上から私が実際に使用した代表的な3種の時系列順で、一番下が後に入手した初期型。

アルミ地でさらに上の2種よりもチャックの先端が細いのもこのハンドルの美しさの1つ。

重さは上から 170g 230g 140g

初期型があまりにも気に入ったので、その後、追加入手したのが上の2本。

上のはハンドルが長く、おそらく前オーナーが好みで後の時代のハンドル(黒いタイプ)に交換したものと思われるが、この長さがオールマイティに使いやすい。

真ん中はアルミ全体が化学反応でガサガサになってさらにコルクが劣化してパーツがバラバラになっててジャンク品として売られてたのを入手して金属部は磨いて、コルクを自分で成形してレストアしたもの。

ただ、せっかくなので上下2本の中間の長さと少し細身にしてみた。

これらは用途や気分で使い分けている。

長いタイプと1500Cの装着例。

個人的に現時点で最もしっくりくる組み合わせ。

 

フェザーウェイトのこの初期のタイプは過去から現在に至って日本のインディーズブランド何社かが似た物を制作販売していて、オールドのオリジナルに拘らない人らには良いアイテムだと思う。

 

私はオリジナルで満足してるので、たぶんインディーズ品に手を出すことは無いであろう。

 

とか書いておきながら、、

 

実は過去に2つ買ってしまったものがあった。

 

1つ目は千葉のF社のトイズグリップといわれるハンドル。

(写真下のハンドル)

 

20年くらい前だったか、ネットで中古品をみかけてフェザーウェイト完コピではないのが気に入って買ってしまった。

その後に、また別でヘッドキャップ形状が変わった(よりカッコ良くなった)タイプを見つけてそれも購入。写真のが後に購入した物で、先に買ったのは手放した。

 

ちなみに先に買ったのはこれ↓

 

フェザーウェイトは鋳造だが、こちらは質感的に削り出しっぽい(?)。

フェルールの固定方法もフェザーウェイトハンドル同様の3本爪のタイプで汎用性がある。

 

このハンドル、形状も質感も申し分ないのだが、てっきりコルク前部のダイヤルっぽいリングを回してハンドルの角度を変えてストレートに出来るもんだと思い込んでたら、完全固定だった。

このダイヤルっぽいパーツはダミーだったのか・・・

と思ったと同時に、設計者含めてこの角度が絶対に良いと思う人がいるわけなので、ロッドの調子の好みと同様、十人十色なんだな~と思った。


全然関係ないけど、角度が付いたハンドルって、スターウォーズのドゥークー伯爵のライトセーバーを連想してしまうのは、私だけですかね。はい。釣りと関係ない話で失礼。

 

ついでに、これもどうでも良い話だが、ヘッドキャップのネジの内径がフェザーウェイトよりも0.5mmほど大きい。

ただ、ピッチは同じなので、フェザーウェイトのキャップをトイハンドルに装着できるが、逆は無理。

 

2つ目は埼玉のオールドタックルの老舗のG社のEMG(マグネシウム)ハンドル。

(写真下のハンドル)

 

数年前に某ネットフリマでたまたま見つけて、中古品で送料込6000円という値段が安いのか高いのか調べる事もせず、フェザーウェイトハンドルの形状からかなりかけ離れた個性的なデザインに惹かれてリアクションバイトしてしまった。

 

物が届き、思いのほか使用感少なくて、さすがにマグネシウム製だけあって軽い。

重さは上のフェザーウェイトとF社のトイズグリップが同じ140gで、こちらは105g

後で調べたら新品20000円くらいする品だった。これは良い買い物だったかも。
 

ちなみにスミスからも新世代のスーパーストライク用のマグネシウムハンドルが出てて、こちらもオフセットの形状かつ現代的なデザインでカッコ良いのだが、なんやらそれ用のフェルールじゃないと装着出来ないとかで、汎用性が無いのが惜しい。

 

このG社の品も、フェザーウェイトやトイグリップ同様の3本爪で絞めるタイプなので大抵のフェルールが装着出来るのが嬉しい。

 

そういえば、昔のG社の模造ハンドル(Cタイプ、Fタイプ、Pタイプとかあったやつ)のフェルール固定部は、デルリンの円筒状のタイプだった。

類似品にW辺釣具(Uらしま堂)のキンググリップというのもあった。

(同社の製品でGO-102をオマージュしたOG-201なんてロッドもあった)

あと、その少し前にあったウエダのキャスティングロッドのグリップも同じような仕様だったと思う。

ちょうどその頃にある釣り業界の関係者に聞いた話では、フェザーウェイトハンドルが採用していた3本爪の固定方法は特許の都合で採用が出来ず、模造メーカーは泣く泣くデルリン固定の方法で妥協したとかで、そしてなんとその特許を日本の本間ゴルフが持ってるという話を聞いた。ゴルフクラブに同様の構造の物があったのだろうか?ゴルフはやらないのでよくわからないがその特許期間(20年?)が過ぎたのか、各社こぞって3本爪を採用してきたようだ。

しかし、模造メーカーの中でもABUのバロネットのハンドルは比較的初期から3本爪を採用してたのでもしかしたら特許料を払ったのかな?

ABU(当時日本ではマミヤ)は大手なのでありえない話ではないかと思う。知らんけど。

 

話を戻してこのマグネシウムハンドル、見た目も軽さも良いのだが、残念なのが写真でも確認出来ると思うが、リールのオフセット位置がそれほど低くない

 

おそらく、近年のロープロタイプのリールの装着を想定しての設計なんだろうと思うが、1500Cや2500Cを付けると全然ダメなわけではないが、フェザーウェイトハンドルと比較したらフジのGAハンドルと似たオフセット位置になり若干使いにくい。(あくまでも私個人的な使用感)

ちなみに、このマグネシウムハンドル以前にエルゴハンドル(バスのレリーフが貼ってある)という品が売られてたがそれとブランク形状は同じのようだ。

 

あと、ついでに惜しい点がマグネシウムという素材の特性から塗装しないと腐食するらしく、そのせいで質感はいまいち。がんばって金属っぽい色にはなってるものの、やはりフェザーウェイトのアルミ地程の質感には及ばない。

 

試しに、このハンドルに、たまたま家にあったモラムの1600C(装着位置が1500Cより低い)を装着してみたら、、

かなり良いオフセット位置だ。

しかもリールの軽さも相まって、これは偶然にも良い組み合わせになった。

さらに、色合いもモラムのグレー塗装のサイドカップに合ってる。

このグリップもリールも今まで使ったこと無かったので、今シーズンの野池のバス釣りで使ってみようと思う。

(ちなみにモラム1600Cはフェザーウェイトハンドルには隙間が狭くて装着出来ない)

 

そういえば番外編として最近知ったのが、ブライトリバーという元道楽の人(?)が立ち上げたブランドのハンドル。

こちらは初期型のフェザーウェイトそのままそっくりなシェイプでヘッドキャップの先端が少し太い感じ。

しかもフェザーウェイトハンドルで自分にとって唯一不要な機構であるオールアングル機構ではく、しかもF社のトイハンドルみたいに曲がってなくストレート固定になってるのが良い。

こちらのハンドルも少し気になったものの、よく見たらトリガの角度が不思議な角度(後ろ向き?)になっている。

近年の意識が高そうなブランドのベイトのジギングロッドにも同じようなトリガの角度のグリップがあるけど、まあそれとはコンセプトは違うとは思うが、たぶんキャストの時よりもパーミング時の感触(小指と薬指)が違うとは予想してるが、使ったことの無い品にあれこれ言いたくないので、ひょっこり5~6000円くらいで売られてるのを見つけたら買ってしまうかもしれない。

 

 

最後に。

 

フジLPハンドルで始まり、GAハンドル、NAハンドル、フェザーウェイトと、オフセット位置が低いハンドルを好むようになってもう昔には戻れない(わけでもないが)私であるが、巷で流行りの渓流ベイトのタックルのみなさんはストレートハンドルのロッドに2500Cとか付けて普通に釣りをされてるわけで頭が上がらない。

雷魚ゲームや本流トラウト用のベイトロッドのような両手投げ前提の釣りならストレートハンドル+5000番でも特に違和感なく使えるんだが・・・(リール位置が低いに越したことは無いが)

 

ちなみに、ベイトの左ハンドル(右手投げ)も何回かチャレンジした事はあるが、キャストは出来るものの、リーリングは初めて釣りをした人みたいなぎこちない動きになって快適に釣りが出来なかった。(スピニングの右も同様)

ただ、これをマスターしたらかなり手返しの早い釣りが出来そうな気はする。

しかし、これの恩恵を最大限に受けるにはリーリング時(パーミングしたまま)の持ち方のまま投げる必要があると思う。

となると1601Cや2601のIARとかだとクラッチボタンが押しにくいと思うんだけど、みなさんどうしてるんだろう。まさか左手で押してる事はないと思うが、もしかして、トリガに人差し指かけた状態(投げる時と同じ)でリーリングしてるとか?

つまりパーミングを一切やってない

 

~追記~

 

↑気になってYouTubeにあった、とあるエキスパートの動画みたらそのようだった。

 

最初はえ???と思ったけど、かなり手返し良く操作をされてるし、芸能人持ちじゃないけど、始めて釣りをする人って無意識にそうなりがちだと思うので実は理に適ってるのかもしれない。

 

おわり