例のブラックバス釣りの楽しみ方の本から数年後に、その筆者達が執筆した、

トップウォーターバス釣りに特化した薄い冊子が2種出版され、その後編だったか、ほぼタックルのレビューばかり書いてある本があった。(これも友人が所有してた)

本のロッド紹介の前置きに各メーカーからトップウォーターバス釣りに使えるロッドをお借りした、みたいな事が書いてあった。

「トップウォーター」という意味を良くわかってらっしゃらないと思われるメーカーは、とりあえず適当なバスロッドを抜擢したんだと思われ、その結果、それらのほとんどがクランクベイト用あるいはワーム用というようなレビューを付けられてた。

 

本の中で評価が高かったのがスミスのスーパーストライカーや、フェンウィックのFCシリーズで、この2強メーカー以外で良い評価だったのがオービスのロッドとウエダのロッド

 

オービスのロッドは触ったことが無いので良くわからないが、ウエダのロッド(FB-55M/C)は、高校1年の時に(一部の金持ちを除いて)猫も杓子もスピードスティックを使ってた時に、スピードスティックと同じくらいの値段でしかも個人的に細身のブランクとアクションが気に入って買ったロッドであった。バンタムを使ってた友人も同じロッドを買った。

このロッドが後年にこの人たちに良い評価をされてると知ってなんか嬉しかった。

とはいえ、小技を効かすには良いみたいな評価で、スミスFO-60ほどの高評価ではなかった。

結局私はこの本に感化されてしまいストライカーがストライクになった頃にFO-60を入手する事になるが、最初の印象は固い

え?これがあの高評価のロッド?と思ったものの、

そっか、人造湖で重たいプラグをボートから、、、、という設計ならこうなるのかと思った。

ちなみにフェンウィックのFC-60と比較してもFOの方が固い。

FC-60が3パワーというなら、FOは4パワーくらいに感じた。

 

こんな事を書いてるうちに、いろいろ思い出して書きたくなってきたので、

備忘録も兼ねて、私が過去に所有したロッドに限りであるが、トップウォーターの釣りに良いと思ったロッドを独断と偏見で列記してみる事にする。

 

UFM FB-55 M/C(グラス)

上にも少し書いてるが、私が高校生の時に初めて買ったベイトロッド。

長さも重さも調子も私にはベストである。

このロッドとミリオネアGS-5000の組み合わせで、リールが飛ばなかったせいもあり、ルアーの重さでロッドを曲げてその反発力で投げるというのを必然的に覚えた。


先人達が言った小技を効かすに良いどころか、オリザラサイズでも問題なく使える。

今の人たちから非難を浴びそうだが、当時はライギョ釣りにも使ってた。(写真)

このロッドは後にロブスターハンドルになるが、これはその前のモデル。

高校卒業した時くらいにチャンピオンフェルール仕様に改造した。

もし、これと同じ品をスミスがFO-55という品で売っても違和感は無いと思う、と思うロッドである。

実はこのシリーズには6フィートのモデルもあり、これは後に入手する事になるが、それこそFO-60とそっくり(厳密には少しへたったFO-60)の調子である。ただ、なぜか前述したロッドインプレでは紹介されておらず、もしかするとその時にはまだ発売されてなかったのか、あるいは筆者達の(スミスの)一番推しのFO-60と同評価になってしまうのを恐れてあえて紹介しなかったのか?でもそのインプレの中にGO-102と瓜二つというウエダのカーボンロッドもあったと思うので、やはりその時に実物がなかったのかな?まあそんな事今更どうでも良いけど、55、60共に一部のマニアには人気のなかなか良いロッドである。(個人的には55の方が好みであるが)

そしてなんといっても特筆すべき点は後述するFenwickのFCもそうだが、

トップウォーター用という謳い文句がない

のが素晴らしい。

これらの後期モデルとして、フジのNAハンドルが標準となったモデルがあり、ちゃかりトップウォーターを意識して作られたようでネーミングもTWB-56(60)となった。

56、60共に購入したがブランクが少し太めになって、バッドのパワーがしっかりした感じになってるが、むしろ大きなプラグを多用する人にはこちらの方が良いかも。

昔の写真を発掘。リールはミリオネアGS-5000。某釣具店主催のライギョダービーのカードが乗っている。

同じ時の別の写真。

3人分のタックルで、この時には居なかったがもう1人バンタムの友人がいる。

この頃は沈むルアーでもワームでもなんでも使ってた。

一番下が私のタックルで、真ん中のバンタム200は私と一緒にFB-55M/Cを買った友人のタックル。

一番上はバンタム200+シマノ秘宝GR-01553。

GR-01553は当時サメも釣れるというキャッチコピーだったカチコチのカーボンロッド。

 

余談だが、最終的にはバンタムを持ってる友人3人共GR-01553になった。

みんな投げる時に竿が曲がらないので手首ではなく腕全体で投げていた。このロッド、当時はまだ発展途上のカーボン素材だったのか、鉛筆の芯じゃないけどちょっとの衝撃で折れるようで、実際に3人ともまたたく間に折れた。それもサメどころか小バスすら釣る前に。オリムピックの純世紀もそうだったが、この頃の国産カーボンロッドはほんとに脆かったようだ。

そう思うとフェンウィックのHMGってかなり秀でた素材だったんだと思う。

 

 

 

スミス スーパーストライク FO-60(グラス)

スーパーストライカーを買うつもりで店に行ったら売ってたのがこれ。

名前が変わりロゴが白地になり、ガイドもパーフェクションからフジの白リングになり、ハンドルの形状もラッパ状からこのタイプになってた。

本に載ってた大人が使ってたものとは違う。

シルバーのABU5500Cを買いに行ったらボディが黒くて品名がステッカーだった時ほどの落胆では無いものの、ちょっと複雑な気持ちはあったが購入した。

前述したように正直最初は固いと思ったが、確かに大きなプラグでボートからなら普通に使えるようになった。

数年使い続けてグラス繊維がヘタったのか(体感)4パワー相当だったのが3.5パワーくらいになったような気がする。(良い意味で)

とはいえ、さすがにベビーサイズのルアーはキツイ。

ストライカーとストライクはブランクが違うという話を聞いたことあるが真相不明。

仮に今ストライカーを入手出来たとしても、歴史の浅いストライクよりもヘタってる可能性が大きいのでより柔く(マイルドに)感じる可能性は大きいかもしれない。

 

私の知る限りストライクのFO-60は私が買った最初期のモデルはロゴが透明シールで、後にロゴが印字されたタイプになった。

ちなみに、ストライカーはプラモデルのデカールのような貼り付けロゴで、すぐに剥がれるものであった。

この不具合を避けるのにストライクになったばかりのモデルは一時的に無難な透明シールになったんだと勝手に推測している。(このシールも経年劣化で剥がれてくるが)

その後、印字技術が向上したのか耐久性のある印字になった。

 

その後長い年月の後に復刻されて、(30thとか書いてるやつ)さらにその後に、マグネシウムハンドルがついた同名のロッドが登場した。

これは某管理釣り場でスミスの展示会があり試投も触らせてもらった事があったが

 

あれ?これグラス?

 

と思うほど張りが強くて、オリジナルとはまったく違うロッドだったが、調子自体は悪くは無かった。ハンドルも軽くて現代のロッドと割り切って使うのであれば良いロッドだと思う。

このラインナップに5.5ftくらいで軽量で柔らかいのがあり(赤茶色のブランクだったと思う)そっちの方が好みだったが品番等は忘れた。

 

スミス スーパーストライク FO-55L(グラス)

ストライカーには無かったモデル。

60が1ピースなのにこちらはなぜか2ピースだが、ブランクの素材設定の違いなどの理由があったんだと勝手に思っている。

ガイド位置が違うのを2種所有してるが、これこそ小技を効かすには良いロッドだと思う。

これに1500C装着してタイニーやべビーサイズのプラグで力まずに釣りをするのが年寄りには心地良い。

 

フェンウィック FC-60 FC-38(グラス)

どっちも同等に好きなので一緒に紹介。

白帯グリップよりも前の時代のモデルを年代別に数種類持ってるが、フェザーウェイトハンドル標準の頃のが一番好きかも。

これらは(38だけ?)はキャスティング競技(的当て)用の設計でたまたまこんな調子になってしまったのであり、前述したウエダのFBと同様、

トップウォーター用というような謳い文句がどこにも無い

余談として、2000年頃のトップバブルの時に営利に走った日本のT社が復刻した白帯の60と38を店頭で振らせてもらった事があるが、まったくの別物だった。白帯のオリジナルの調子を知らないのでなんとも言えないが、ほんとあれにはがっかりした。販売価格もかなり強気だったと思う。

ラバーコルクハンドル版の復刻もあったが、中途半端なブランクのテーパーに加えて無駄にガイド数が多かったり(5.5ftで8個!)で微妙なアクションだった。

(唯一、後記する6ftのカーボンのは良かった)

ただ、某専門誌の特集でコラボか何かで制作されたグラスのFC-60Jという物は良かった。

安直にグラスにすれば何でも売れると思われた時代に、ちゃんと本質をわかってらっしゃる人がいて安心した。最初からT社がこれを販売してくれたら良かったのに。

欲を言えばこれの38版も作って欲しかった。

フェンウィックのグラスロッドは他にも1ピースのモデルや2ピースのPLCシリーズがある。

白帯の1ピースモデルで柔らかい2053というのがあり、これがトップに最高だという人が思いのほか多く、FC-60以上の人気でネットの売買で高額で取引されてたりしていた。(今も?)

実は高校の時にフェンウィックのロッドを普通に買えない私は、4000円くらいで売られていたフェングラスの茶色のブランク(CA553だったと思う)で自作ロッドを作った事があり、当時愛用してたウエダのFB-55M/Cと比較してあまりにも先調子なテーパーで投げ難く好みでは無かったので後に手放した、という事があった。ロッドの好みも十人十色である。

(ラバーコルクハンドルの2本。 上が60下が38)

 

フェニックス IM6 BORON 60UL(カーボン+ボロン)

1990年代のバストーナメントブームの時、トーナメンターの予備軍達がみんな使ってたフェニックス。フェで始まるネーミングと鳥のマークもなんかフェンウィックの偽物みたいな感じだったしで、私の眼中には無かったが、予備軍達の嗜好がフェニックスからコンバットスティックに移った頃、今は無き某Pの付く店で6800円でたたき売りされてた1本がこれ。触ってみてビックリ。これはかなり良い。一緒に売られていた55L2もそんなに悪くなかったのでこれも一緒に計6本くらい大人買いした。当時フェニックスでは55L2がトップに最高だと言われてたが、私の感覚では少し違った。55L2はライトアクションだが先調子で、(フェンウィックGFC554に似てる?)野池とかで沈むルアー含めてオールマイティーに使うには良いロッドだった。なのでバス釣り初心者の後輩に譲った。

60ULは奇麗なスローテーパーでフェンウィックのGFC-60よりも柔らかい。フェンウィックでいう2.5パワーといったところか。フェニックスにこんな良いロッドがあったとは・・・

あまりにも安かったので並行輸入物かと思ってたがオールSicガイドなので日本向けのティファ正規品だと思われる。

フェニックスのロッドはボロンに限らず全体的にずっしり重たい傾向だがグラスほどではないし、その重さがまたいかにもアメリカ人が作ったロッドらしい質実剛健な感じがする。

(ルーミスのGLXとは方向性が真逆?)

この60ULはフェザーウェイトハンドル用のフェルールに変更して、ボート、岸釣りに関係なく2000年以降のメインロッドとなった。

 

フェンウィック イーグルグラファイト E-63CUL(カーボン)

ジャパンスペシャルかジャパンカスタムか忘れたが、2パワーでフジのNAコネットのロブスターハンドルが付いてるあれ。

フェニックス60ULより少し長くてパワーは無いが、軽くて長さを感じない綺麗なアクション。

ゆったり釣るにはかなり最高の調子のロッドだが、個人的にフジよりもチャンピオンハンドルが好きなので出番は少なかった。チャンピオンフェルール仕様に改造を考えた事もあったが、今思えばやらなくて良かった。

 

参考までに、番外編として他のフェンウィック(USA時代)のカーボンロッドの感想を何種か。

 

GFC-604

初期のラバーコルク時代のしか知らないが、私の釣りには向かなかった。

1ozとかをメインに使う人なら良いかもしれない。

 

BORON-X XC-632

上のイーグルよりもこちらの方が人気があるようだが、こっちはボロン素材の重さに加えて、ガイドの形状(すべて2フット)のせいか、空振りした時のブレが大きい。イーグル(根元のガイド以外1フット)の方が振った感じはシャキッとしてて好きである。

 

HFC-652

こちらも2パワーのジャパンモデルで、同じ2パワーのイーグルやボロンX同様に曲がり方は良い感じであるが長さが63よりも少し長く、さらにガイド数が8個(すべて2フット)のせいか、もっさり感があり、さらにロゴのデザインもあまり好みではない。

 

GFC-553(後期のFujiのAコネットグリップ)

某大手中古釣具チェーン店の売値が今みたいにオークションやネットフリマの相場などを参考にしてなかった(価格にプレミアを付けない)時代に良心価格で売ってたので買ってみた。

ただ、店頭でも感じたが上に書いた2053(CA553)同様に、先調子で私の好みではなかったので、これが欲しかったという知人に譲った。

 

ちなみにボロンXは別にして、HMG(HFC、GFC)とイーグルグラファイトの違いは、ブランクの素材に違いはなく、HMGはクリア塗装されていて、イーグルはコスト抑えるために仕上げがアンサンドフィニッシュになってるという事。同フライロッドも同じで、むしろそのせいでイーグルの方が(クリア塗装による)もっさり感がなくシャキッとしてると思われる。特にライトなロッド程その傾向は顕著に感じる。

 

フェンウィック  FG 1560 J(カーボン)

前記したラバーコルクハンドル版のティムコ復刻のラインナップのカーボンロッド。

発売同時に店頭ですべて手にしたが、これだけが特に良かったので購入。

あのデザインのまま細身になったブランクもカッコ良い。

アクションはたとえるならフェニックスボロン60ULとフェンウィックイーグルE-63CULの中間くらいの調子。振った感じはシャキッとしてるが、魚が掛かったら少し腰の弱さを感じる。

E-63CULの方がグラスロッドのようなトルクがあるような感じはする。

(その時代の普及モデル向けカーボンの特性(弾性)の差?)

とはいえ、デザイン含めて軽量でなかなか良いロッドなので中古でもう1本追加購入した。

同ラインナップのカーボン版に6.5ftの2ピースのモデルもあり、調子的にはスミスGO-102を少しだけ先調子にした感じで悪くはないのだが、ガイド数が8個になっててそこが残念。GO-102は6個なのにね。

 

レスターファイン スポットシューター 5.5ft(カーボン)

2500Cの記事にも少し書いてるが、高校生の時に自作ミノーでのトップウォーターミノーイングをするために購入したロッド。

ハンドルがフジのGAコネットのグラファイトのタイプと昔のシマノのバンタムのロッドみたいなアルミのタイプの2種のベースとグリップ部がコルクとウッドの2種の計4パターンを選べた。

私はGAベースにコルクグリップをセレクトした。理由は見た目に一番自然でハンドルも握りやすかったし、何よりもこの組み合わせ一番安価だったから。

このロッドを入手してから上に書いてるウエダのFBからこちらがメインロッドになった。

このロッド+2500Cのおかげで釣りが変わり、本当に良い思いをさせてもらった。

ある日、釣りに同行した知人の車のドアに挟められて、粉砕してしまって今は無いが、

フェンウィックでいう2パワーくらいの印象でテーパーはスローだが若干先よりな感じ。

同ラインナップに6ftのスポットハンターというのもあり、こちらは友人が買ったがこれもかなり良いロッド。

どちらでも良いので機会があればブランク部分だけで良いので再入手したい。

ちなみに同社にミノージャックなんてロッド(こちらはボロン?)があったらしいが、触った事ないので不明。

(残ってた写真がこれだけ。沈むルアーですみません)

 

ABU ポラリス PL-571C(カーボン)

当時、ズィールが大人気で信者達はみんなプッシュウォーターというロッド(ラスカル付き)を買っていて、信者だった後輩も購入したので、一度触らせてもらった事あるがこれはこれでなかなか良い調子だった。おお、K氏わかってるな~、と思った。

このロッドは実はウエダの既製品の色違いだと聞いた事があり、こちらもその後輩が購入したので(あんたも好きね~)触らせてもらったがウエダの方が少し長くて、調子も微妙に違って同じロッドとは感じなかった。

プッシュウォーターの方がバランスが良いので、もしかしたらK氏はこれをベースにティップかバットのどちらかか、あるいは両方を数センチカットしたブランクで制作したのかもしれない。

それはそうと、そんな頃にまさかのABUが世に出した似たようなハンドルが付いたこのロッド。アブといえばリールがメインのメーカーと思ってた時代なので違和感と不信感があったが、店頭で触った時にその違和感は払拭された。このロッドは最初に触ってからかなり年月が経ってから中古で見つけて購入。第一印象と同じアクションだった。

思い返せば、上に書いてるレスターファインのスポットシューター(ハンター)に似てたかも。

こういうロッドを知ると、スローテーパーだけがトップウォーターロッドではないと、勉強させられる。

(今見ると微妙なグリップの色合い。ルアーはハンドメイドペンシル)

 

ABU バロネット BC-561L(グラス)

これもABUで、こっちはグラスロッド。

当時、S社のフィリプソンの模造品が出ていて大人気だったが、個人的にはまったく興味がなかった。品名が本家そのままなのが違和感があったというのもあるが、だからといって同じ頃に関東のH田クラフトというショップがうちは本家から認可されたとかで本物のブランクを使って制作した通称Hプソンはどうなのか?と聞かれたら、こちらも興味なしで、ロッドよりも、その後の両社の論争の方が興味があった。結局どうなったんだっけ?今更そうでもよいけど、

それより、Sプソンに話を戻して、当時の雑誌か何かの宣伝写真のN氏ご本人のキャスティング時のロッドの曲がり方が不自然極まりないのである。例の本に載ってた本物の曲がり方とはまったく別物。その後店頭で触る機会があり、予想してた通りなんとも不思議なテーパーだった。本物フィリプソンは触った事が無いが、絶対にこれでは無いだろうと実感した。ちなみに別ラインナップの2ピースモデルのスワンプフォックスの66というのは悪くはなかった。

 

そういえばS社はこの模造品を出す前に、バッシンシャフトというボロンコンポジットのロッドを売っていて知人が買ってたので触らせてもらった事があるが、こちらはかなり使えそうなロッドだった。むしろFO-60の新品状態に似たテーパーで、よりバットにパワーを感じる男前のロッドだったが、FOでさえも固く感じるような非力な私にはちょっと向かなかった。とはいえ、これこそ現代のトップウォータープラッガーのロッドなのかと、この時はN氏のコンセプトに共感したわけだったが・・・

 

そんな偽プソンが人気の頃に今度はABUも似たようなロッドを出してきて、おいおいABUさん、あんたまでやらかしたか・・・と思って、こちらも店頭で何気に触らせてもらったところ仰天した。実に良い。

フェンウィックの復刻よりも、もちろんS社の模造よりも、格別に良い調子だったのである。

 

5ft~6ftまで長さ3種、固さ2種のラインナップがあり、それぞれ微妙に違った味付けで短くなるほどスローテーパーの度合いが増す感じがするがどれも良いバランスだと思う。

特に561Lが一番好みで、たとえるならウエダのグラスの後期モデルの5.5ftに近いアクション。

次点として561ULも良く、こちらはFO-55Lと同じ感覚で使えるロッドである。

 

フィリプソン人気の陰に隠れてたせいか、不人気で当時の中古価格も未使用に近いレベルでもハンドル付8000円とかだったので長さ別に4種(501UL、561UL、561L、601L)入手した。

 

このシリーズで残念なのが、フィリプソンっぽいブランク色と筆記体ロゴもそうだが、チャンピオンそっくりなハンドルのコルクの長さがすべて共通の4インチと短い事。5ftモデルならこの長さで良いが、6ftモデルだとバランスが悪い。おそらくロッドの長さの規格がグリップの後端からなので、それに合わせるためだったのか、ハンドルを長さ別製造する余裕がなかったのかは不明。

私は実釣ではノーマルハンドルは使わず、フェザーウェイトのハンドルで使っていた。

もし、Sプソンがこっちだったら、さすがNさんってなってんだろうと思う。

そんなロッド。

(561ULと561L)

 

(フローターにて501UL)

 

ゴダグレイ #206(グラス)

たまたま量販釣具店で展示品を触る機会があり、空振りしたら理想のスローテーパーでしかもまったくブレない。

近年流行りのマイクロガイドが付いてるわけでもないのに、まるでブランクだけ振ってるかのごとくピタっと止まる。

知人に聞いたら、これを制作したのは神戸にあったBBハウスという釣具店の店主で、その店主はルアービルダーでもあり、あのカーペンターの小西氏はその弟子だったとか?

それはそうと、こんなに良いロッドなのに知名度が無さ過ぎた上に値段も高く、グリップ無し版(チャンピオンフェルール仕様)で30000円近くしてたような。

釣具というのは今でもそうだが、大手メーカー製か、著名人やバスプロが使ってるとかじゃないと売れない、、、という事を痛感したロッドでもあった。

そう思うと(当時の)エバグリーンやメガバスってどんな竿でも売れてたから凄いと思う。

そんな理由で、釣りバブルの頃でさえチャンピオン(風)ハンドル付で某オークションで数千円で落札出来て喜んだものの、結局フェンウィックやフェニックスを使う事の方が断然多く、結局一度も実戦で使ったことがない、という事はここだけの秘密である、

 

おわり