犬・猫譲渡会にチビネコを参加させてもらうと決まり、電話を切った私は…
良かったはずなのに、なんだろう、この複雑な気持ち。…
からのお話
その日は、一日中ドキドキ。
何をしてても頭の中はチビネコのことばかり。
夕方になり、先生からの電話が待ちきれず、こちらからかけてみることにしました
「もしもし、先生。
チビネコどうなりましたか?」
「飼いたいという人が見つかりましたよ。
良かったですね。」
「えっ~見つかったんですか」
え~うそでしょ~
なんで見つかっちゃうのよ
チビネコが他の人のところに
ど~しよ~
あのチビネコが…
もう会えないの
譲渡会なんて行かせなきゃ良かった
私のバカバカバカ
「先生、チビネコはもうその人のところへ
行ってしまったんですか」
「いや、ワクチンを打ってからということで、
まだ病院に居ますよ。」
「先生、チビネコその人に渡さないでください」
「は」
「私が、チビネコと暮らします。」
「え」
「他の人のところにやらないでください。」
「………」
「困るんです、チビネコがいなくなると」
そりゃ、先生も無言になるわけです。
ボランティアの人も、善意からチビネコを病院に迎えに来て、そして会場まで連れて行って1日中お世話をしてくれたんですから。
チビネコの里親になってくれる人だって、話が決まって喜んで帰って行ったそうですから。
でも、私も必死です。
ここで、引き下がったらチビネコとは二度と会えないのです。
「先生にもボランティアさんにも里親さんにも、
ホントに申し訳ないのですが、
私どうしてもチビネコを手放せないです。」
「でもアパートでは無理ですよね。」
「いえ、家を借ります
どうにかしますから、お願いします。」
「………」
「皆さんにはご迷惑をおかけしてしまいましたが、
私やっと気づいたんです。
私が、チビネコと一緒に暮らしたいんです。
何もわからない私ですけど、
自分なりにやってみますから
先生、どうかチビネコを私に戻してください。」
泣きそうになって必死に訴える私に、先生もホトホト困ったと思います。
何が戻してくださいだぁ…
そんなら、譲渡会へ出す前に言えよ
と思ったかどうかはわかりませんが、先生が口を開いてくれました。
「わかりました。
そこまで言うなら、いいでしょう。
ボランティアさんに電話してあげましょう。
里親さんにも連絡してもらいましょう。」
「ありがとうございます~」
よかった、チビネコと一緒に暮らせるんだぁ
ずっと一緒に居られるんだ
絶対もうどこにもやらないんだから
と大喜びをした私ですが、
これからど~すんのよ
そんなに簡単に家が見つかるの