ついに、国内のすべての原発が止まりましたね。
以前には、すべて止まると電力不足で停電になるといった話もありましたが、
実際は...、全く問題ない状態です。
今現在、必死になって無理に節電しているという話も聞きませんし、
輪番制の計画停電も行われてはいません。
むしろ、震災直後の、あの計画停電はいったい何だったのか?
改めて疑問に感じます。
ここへきて、夏の電力が不足するとか、一般家庭の日中の電気料金を値上げするとか
そんな話が懲りずにまた出てきてますが、それを言うなら
火力や水力での発電をフル稼働した上で言って欲しいものです。
どう見ても原発再稼働ありきで、電力供給に対する努力をしているとは思えません。
ヘタすれば、不安をあおるためにわざと停電を起こしかねないとも思ってしまいます。
依然として、福島第一原発の状況は収束にはほど遠い状況の中、
今現在も、再稼働をめぐって様々な議論がそこここで繰り広げられていますが、
結局のところ、原発を稼働させたい理由が、
原爆としての抑止力に利用したい人たちの思惑や
総括原価方式をはじめとする利権の構造ゆえのものであって、
決して電力を効率よく発生させるためのものではないと知ってしまった以上、
稼働に賛成する国民は少ないと考えます。
何より、地中深く埋めることしか手段がない核廃棄物の問題は致命的です。
また、先月の静岡県御前崎の市長選挙の際にも聞こえてきましたが、
地元の経済のことや原発に関わって生活している人たちのことを少しは考えろ!
と反論する意見がありました。
僕は、このことこそがまさに、これまでの政策の結果なんだと感じます。
まんまと国民が騙され続けて来た結果ゆえの発言だと言えます。
(小出助教も同じようなことを言われてましたが)原発はまさに「麻薬」ですね。
原発マネーによる旨味を覚えてしまうと、
それが悪いものだと知りながらも、それなしでは生きて行けなくなる...。
それでどんなに地元の経済が潤っても、1回の事故で命が奪われ兼ねない事態となり、
孫子の代まで、そして、他の国までも迷惑をかけるのでは全く意味がありませんし。
せっかくの機会ですから、目先の旨味に惑わされることのない判断をして欲しいですね。
そして、これまで国策としてきた政府は、
原発に頼らざるを得なかった地元の人たちへの補償も視野に入れて
対応すべきなのではと思います。
また、一方では、国のエネルギー政策は安全保障と一体の話であり、
その面において、簡単に脱原発を語るのは考えが浅いと指摘する人もいます。
でも、本当に、核エネルギーを推進することが、
今も世界のあちこちで起きている資源の奪い合いのための戦争から身を守ること
になると言えるのでしょうか?
天然ウランの埋蔵量だって決して多いと言えるものではありませんから、
(その是非はさておき、もんじゅのような再処理のシステムが実現できない以上は)
その全量を輸入に頼っている日本は、結局いつかは奪い合いの渦中に引き込まれる
可能性は否定できないわけで、どこが安全なのか、何が保障されるのかわかりません。
むしろ、核施設は、ある意味、不発弾をたくさん抱えてるようなもので、
国内の原発施設のいくつかを狙って攻撃されれば簡単に終わってしまいかねません。
核施設がある故に、かえって大きなリスクに思えるのは僕だけではないと思います。
これまで、長年に渡って原発にしか投資をしてこなかったわけですから
今後の自然エネルギーの実用化にはそれなりの時間が必要でしょう。
でも、今こそ、これまで投入して来た莫大な原発マネーを新しいエネルギー開発へ
投資して欲しいものです。
とはいえ、国内の原発すべてを廃炉にするためには、
長い年月と、これまた莫大な費用が必要なんですよね...。
ホントに、原発って始末に負えない代物だなぁと思います。
5月8日:一部加筆