相手のオラシオ・ガルシアも来日、そして練習
オラシオのチームはあのカネロことサウル・アルバレスのチームである


オラシオのトレーニングを見たトレーナーが自分の選手達に声をかけ、
この選手のトレーニングを見るようにと選手を集める



シャドーボクシング一つとっても美しく無駄のない動きだったらしい



今から戦う相手の練習を自分の教え子に見させるぐらいの選手だと思うとこわくなる



足を怪我してから満足できる練習もできてないから余計にこわい



そして試合前日の軽量




イケメンで筋肉マッチョ
強そう



これが素直な印象




しかしここで焦っても仕方ない


飯食って体を休めるだけ



娘にはお父さんの腕は折れないようになってるから安心しろと言い聞かす




試合当日



ここで始めて足を動かしアップしてみる


がやっぱり足首が痛い



15年お世話になってる三宅先生にテーピングを巻いてもらうことに



これでだいぶ動けるようになった


が正直まだ痛い



練習程度なら動けるがこの状態で8ozのグローブで相手のパンチに対応できるかと言われれば自信はない



最悪のパターンを考えて用意してた痛み止めの注射を打つ
随分と楽にはなった



完璧とは言わないが試合になればアドレナリンが出てなんとかなる



よし


そして入場、そして試合



ゴングがなる


パンチは強い。強いがフェザー級でブルゴスやジョニーゴンザレスと戦ってきた自分からすると、
焦るほどのパンチでもないしサウスポーにもあまり慣れてないなと感じた



序盤はおれペース、中盤もややおれペースといい感じに戦う




しかし終盤に最後の追い込みの練習ができなかった影響もあり苦しい展開に


息も上がる

だがここは今までのキャリアとずっと練習してきた貯金で最後まで戦うことができた


ゴングがなり勝利を確信した

結果判定勝ち



相手は世界ランカー、全戦全勝パーフェクトレコードでメキシコのホープ
皆なが負けると思った試合で僕は勝った



最後だと思って沢山の方が応援に来たと思う


横浜から八重樫くんも来てくれた
もしかしたら八重樫くんでさえも最後だと思っていたかもしれない
 


しかし僕だけは心と身体が一致すれば怪我をしたってどんな状況だって誰にも負けない心ができると自信があった





そんなことを一つ証明できたかな



もうやめた方がいいとか引退した方がいいとか言う人々を納得させる


それも一つのモチベーションでそれを一つ証明できたんじゃないかと


そう感じていた








無理をした試合の代償は大きかった







動けるようになるまでに一か月
動けても足がぐらぐらした状態のままかもしれないと言われたが、
自分がやると決めた決断だったので後悔は全くなかった