今日、夜勤明けに今関あきよし監督の「カリーナの林檎」を見てきた。
2度目。
2度目でも面白かった、、、というより、
2度目の方が、断然楽しめた!
長崎の鐘からはじまって、教会、イエス・キリスト、十字架、などなど
これでもか、というほど、映画全編にわたって、神への祈りが強烈に映し出される。
チェルノブイリの「毒」や、おじさん宅の家庭不和、
おばあさんの病気、母親の病気、同室した少女患者の病気、
バレリーナを目指す少女の足の怪我、
さらには、都会を冒すアメリカ資本主義やらジャンクフード、
都会における人とのかかわりの薄さ、
はたまた、手の届かない場所にかけてあるカップやら、
重くて動かせない井戸のくみあげ
嫌いなニンジンにいたるまで、
少女カリーナは孤軍奮闘するのである。
カリーナは少女戦士なのだ。
幼きジャンヌ・ダルクなのだ。
最初に見たときに感じた、映画の民話性みたいなものは、今回は
あまり感じず、ひたすらカリーナ役のナスチャ・セリョギナの
けなげな孤軍奮闘にうちのめされてしまった。
強烈な祈りとともに戦うカリーナの勝敗の帰趨は、映画の終わりでも
決着はついていない、と思えた。
戦いははじまったばかりなのだ。
今関監督の作品はつい最近、多くの作品を見直してみたが、
そのなかでも、この「カリーナの林檎」は、
今関監督の代表作ともなるべき少女映画の傑作だな、と感じた。
いや~、実際、2度目見るまでは、こんなに絶賛することになるとは
思ってもみなかったな~。
大阪の上映がいったん終わっても、神戸や京都で時間差上映が
決まっているのが幸いして、こりゃ、また見に行きそうな勢い。