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なぜ時差ぼけが起きるのかが書いてある。
「理論的には存在していないはずの都市や、いまだ適切な時間をもっていないためにしっかりと立つことも正しく機能することもままならない都市にいきなり出かけると、時差ぼけとして知られる現象が起きる。自分の身体の疲労が原因なのではなく、もし旅行をしていなければそのときまだ眠っていたはずの人々や物事の疲労が原因なのだ」
似たようなことを、「場違い」について考えたことがある。
自分はどこにいっても場違いだな、と思っていたときのこと。
場違いというのは、自分が加わることによって、やっと、そこが「場」として成立したことを祝うお祭り騒ぎの感覚なのだ、と。
ところが、最近、どこに行っても場違いを感じることはなくなった。
周囲の人間が僕のことを「場違いだ」と思っているかもしれないが、自分で自分のことを場違いだとは思わない。
いちいちのお祭り騒ぎが面倒になって、「僕が場だ!」と開き直ったせいかもしれない。
2月1日からはじまる僕の個展「アババアババギャッ」会期中に、イベントあります。
2月4日(土)午後6時開場、6時半開演。
ギャラリー5(神戸市中央区海岸通9番地チャータードビル)
保山ひャンのパフォーマンス
藤本由紀夫さん&吉岡洋さんをお招きして3人でトーク。
ゲストがすごすぎるので、僕も客として行きたいくらいです!
2月4日6時開場 6時半開演
入場料2500円(1ドリンク付)
ご予約はnono.gallery@gmail.comまで
保山ひゃん個展「アババアババギャッ」
2月1-11日 12:00-20:00(最終日18:00)
イベント時以外のふだんは入場無料です。
作品の販売もしています。
金を払うほどの価値はない!と思われる方も、寄付だと思ってお買い求めください。
ライフハッカーの記事に、脳の機能を若く保ち、活性化させるためには、
「難しいことをする」のがいい、
と書いてあった。
語学勉強とかトライアスロンに挑戦とか、とにかく体であれ頭であれ、ちょっと背伸びしたチャレンジが脳にいいのだという。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170119-00010003-biz_lifeh-sci
その記事読んでしばらくして、たまたま読んでいた田村セツコさんの『おちゃめな生活』に、こんなことが書いてあった。
「困ったときは、脳が喜ぶ」って脳科学の先生がおっしゃっていた(P84)
脳科学的には、以前からわかっていたことだったのか!
ライフハッカーの記事のなかでは、上記2つ以外に、「難しいこと」の例のひとつとして、「人前でパフォーマンスする」というのが書いてあった。
と、いうわけで、2月4日、神戸のギャラリー5でパフォーマンスします。
1日から開催中の個展「アババアババギャッ」の関連イベント。
活性化する脳の様子をごらんください。
「活性化してそれか」とあきれるのも可。
読書中のロベルト・ボラーニョ『2666』の第2章より。
前世はトラークルだったかもしれない、とまで思われる教養豊かな薬剤師に好きな本は何かを聞くシーンがあった。
語り手はその回答にちょっと失望する。
彼は大作でなく、小品を好んだのだ。
『審判』でなく『変身』
『白鯨』でなく『バートルビー』
『ブヴァールとペキュシュ』でなく『純な心』
『二都物語』『ピクウィック・クラブ』でなく『クリスマス・キャロル』
その後の言葉が熱い。
「いまや教養豊かな薬剤師さえも、未完の、奔流のごとき大作には、未知なるものへ道を開いてくれる作品には挑もうとしないのだ」
「彼らが見たがっているのは巨匠たちが剣さばきの練習をしているところであって、真の闘いのことを知ろうとはしないのだ。巨匠たちがあの、我々皆を震え上がらせるもの、戦慄させ傷つけ、血と致命傷をもたらすものと闘っていることを」
と、いうわけで、今年はなるたけ大作に挑もうかな、と思った次第。
重い本を読むと体力向上にもつながるし。
寺山修司が肉体労働としての読書について書いてたっけ(うろおぼえ)
安楽椅子探偵ON STAGE、解決編見ました。推理を楽しむ1週間で、ぜひともまた続編を制作してほしいものだ、と切に願います。
真相がわかったうえで、まだ違う推理をしたくなるのがミステリファンの性(さが)、というもので、今回犯人探しの応募はしなかったんですが、別の推理をたててみることにしました。
解決編でなされたエレガントな推理は、エレガントではあるけれど、論理的かというと必ずしもそうではありません。
1.安楽椅子をペンキで汚したトリックは、解決編で語られたトリック以外にありえないのか。
このトリックから、それをすることができた人物を絞り込んでいますが、たとえば、ペンキの入ったグラスの下にドライアイスを仕掛けるのでなく、ドライアイスで作ったフタをしたグラスを最初からひっくりかえしておく、というトリックも出来ますし、ペンキ自体をドライアイスでかたまらせておいて、ひっくりかえしておき、溶けるにしたがって椅子を汚す、ということも可能。
こうした別のトリックを使えば、段差で衝撃があろうと椅子を汚すおそれもないのです。
さらに言えば、犯人はそんな段差のことなど知らないか、うっかりしていて、解決編で示されたトリックを仕掛け、たまたまグラスはひっくり返らなかったのかもしれません。
そうなると、トリックを仕掛ける時間は特定されない、ということになるのです。
2.資料室のコンセントを抜いたのは、掃除機以外に考えられないのか。
掃除機を使うためにコンセントを抜いた、というのはエレガントですが、スマホの充電が切れたので、コンセントを使いたかったのかもしれません。なぜ、わざわざその場でスマホの充電をしたのか、という謎は、なぜその場で掃除機を使わねばならなかったのか、という謎と同等で、どちらが妥当性があるかは、その解釈にかかっているだけです。
また、犯人はコードレスの掃除機があることを、コンセント抜いたあとに思い出したのかもしれません。突発的なことだったので、つい、昨日までは無かったコードレス掃除機の存在を真っ先に思い浮かべなかった可能性もあります。
そうなると、コードレス掃除機の存在を知っているかどうかによって犯人を絞り込むことはできない、ということになるのです。
と、いうわけで、犯人は、安楽椅子探偵オタクの清水真人。
清水は贋の安楽椅子探偵(楽太)の存在を消すために、ステージ上での安楽椅子探偵の殺害を思い立ちました。(なぜステージで殺したのか、という論点は解決編でも触れられており、ここがポイントです)
安楽椅子に毒針を仕掛けるため近づくことができたのは、劇団員、スタッフに絞り込まれますが、清水がたとえば安楽椅子探偵の仮面と衣装をつけてうろうろしていたら、劇場のなかにいることも、椅子に接近することも可能です。清水は安楽椅子探偵オタクなので、仮面や衣装などを持っていても不思議ではありません。
ステージ本番、マントや体ですっかり隠されていた安楽椅子を清水は「昨日まで使われていた椅子と違う」とつぶやくことが出来ました。椅子が違うものに変えられたことを事前に知っているものでなければ不可能です。清水は事前に椅子のことを知っていたのです。
椅子を汚すトリックは、ドライアイスを使ったものと考えられますが、その方法についてはいろいろあり、どれを使ってもさしつかえありません。
清水は、安夫とは同性愛の関係でした。(解決編では、別の人物との関係が明かされましたが、問題編ではそれを裏付ける証拠がないことについては同等です)
安夫は愛する清水のために、事務所の鍵の場所など便宜をはかってやっていました。
そして、資料室での逢引の際、安楽椅子探偵オタクの清水は資料室においてあるものをスマホで撮影していましたが、充電がなくなり、コンセントを使いました。
安夫との2ショットを撮りたかったのかもしれません。
資料室で見つけた安楽椅子探偵像がどうしてもほしくて手にしているとき、楽太が入ってきたため、もみあいになって、とうとう殺してしまいます。
そのあと、安夫が入ってきて、事態を知り、楽太のネックレスを取って、自分が安楽椅子探偵としてステージに立つことを決心します。
もともと、劇団員には内緒で安夫は楽太とはダブルキャストで安楽椅子探偵を演じていました。清水は愛する安夫こそ安楽椅子探偵にふさわしいと思っており、千秋楽まで安楽椅子探偵を殺さなかったのは、それまでの安楽椅子探偵のキャストを安夫が演じていたからです。
もみあいの際、ネックレスが切れてしまった、というのはエレガントな推理ですが、論理的な証拠はありません。植木鉢の中で光っていたものも、ネックレスの玉ではなく、単なるパチンコの玉だったのです。
安夫が楽太の死を糊塗したのは、なぜ清水を資料室に手引きしたのかを説明するのがいやだったからです。みんなから「おまえ、あのハゲのオタクとどういう関係なんだ」とツッコまれるのが目にみえていたからです。
ただし、そのとき、安夫は、清水とはもう別れる、と告げます。
ショックを受けた清水は、安楽椅子に仕掛けた毒針(本来は贋の安楽椅子探偵、楽太を殺すためのもの)のことを安夫には教えませんでした。
自分をふった安夫なんか死んでしまえ、と怒っていたのです。
1.清水真人は、安楽椅子探偵の仮面や、同性愛相手の安夫の手引きにより、劇場や事務所に自由に出入りすることができた。
2.清水真人は、安楽椅子探偵オタクだったので、重い安楽椅子探偵像を抱きかかえており、楽太殺害のときに使用してしまった。
3.清水真人は、ふだん手袋をしている安楽椅子探偵の手形をもっており、これこそ本物の安楽椅子探偵の手形だと言っていました。安楽椅子探偵にふさわしい、と思っていた同性愛相手の安夫と裸のつきあいをしていた証拠です。
4.清水が安楽椅子探偵にこれほどまでにハマっているのは、ほかでもありません。清水は天王寺満斗の異母妹だったのです。満斗(マント)と真人(マト)の兄妹でした。
真人は性転換し、男になりましたが、解決編で語られた、犯人の安楽椅子探偵に対する恨みをそのまんま真人は感じていたのです。
5.さらに作者は、真犯人が清水真人だということをこっそりほのめかしていました。半券に記された「真人」の名前。真「半」人こそ、真犯人の清水だっというわけです。
おわかりかな?
いいや、わからん。
http://www.asahi.co.jp/anraku/
2月は個展と映画祭!
ぜひとも!
2月1日(水)~11日(土)
保山ひャン個展「アババアババギャッ」
ギャラリー5
神戸市中央区海岸通9番地チャータードビル2F・3F
TEL&FAX : 078-392-2880
入場無料
会期中の2月4日(土)にはイベント(有料)もあります。
イベント内容はまた追って。
http://nonogallery.com/index.html
2月12日(日)日本セルビア映画祭 大阪上映会
なんば紅鶴
open 15:30 start 16:00
¥1,000- (1drink別)
映画上映の他、保山宗明玉×今関あきよし×noah(101A) トークショーもあります。
上映作品など、追加情報は、また追って。
http://benitsuru.net/archives/date/2017/02/12?ec3_listing=events
先日、日記に書いた、iD JAPANの灰野さんのインタビュー記事で、ハエを殺さず助けたエピソードがあったけど、たまたま今読んでる小説のなかで、ハエを殺さない話が出てきたので、意味のある偶然、って奴かな、と思い、ご紹介。
読んでる本はロベルト・ボラーニョの『2666』
たぶん1ヶ月くらいかけて読むこの本の第1章に出てきたのが、これ。
プリチャードは蝿一匹殺せない、と彼女は言った。
二人はアンソニー・パーキンスのことを考えた。
彼は蝿一匹傷つけられないと言っていたが、そのあと何が起きたか?
ある映画のことだと思う。
そのあと起きたのは、もうたいへんなことなのだった。
2月1日発売のいかさんの「にじゆめロード」のカップリング曲は、なんと、モダンチョキチョキズの「自転車にのって、」のカバー!
この曲、振付をラッキィ池田さんにつけてもらって、ステージ上で踊ったりしました。僕はフリー演技だったので、みんなとは常に正反対(手を上に上げるところでは下にさげる、とか)の振りを勝手にやらかして遊んだりしてました。
誰か「踊ってみた」とかでやってくれないものか。
http://realsound.jp/2016/12/post-10754.html
昨年出た「iD JAPAN」のvol.2に灰野敬二さんのインタビューが載っている。
「確かに害虫はいるし、害が与えられる前に防ぐのはしょうがないとしても、虫を潰すことで、除外したり、駆除する感覚を子どもに抱かせるのはものすごい怖いことだと気づいてほしい。僕はニューヨークのトイレに落ちていたハエをトイレットペーパーで助けてあげたよ」
灰野さんがハエを助けたのとはレベルが違うかもしれないけど、僕も基本、ハエや蚊は殺さず、虫が近づいてきたら言葉で説得して向こうに行ってもらったり、吸いたいだけ血をすわせたりしてる。
蚊にとって血を吸うことは命の問題だけど、僕にとって血を吸われることは、いっときのかゆみにすぎないから。
かゆいからと言って、命を奪うというのは、やり過ぎなんではないか?
もちろん、あえて吸ってほしいとは思わない。
かゆいし。
でも、たまたま僕の血を吸いにきた蚊には一期一会だし、まあ、仕方ないか、血を吸ったら向こうに行ってくれ、という感じ。
https://i-d.vice.com/jp/article/keiji-haino-music-interview