いっそすべて私の勘違いだったらいいのに。
「え、別にそんなつもりは無かったですよ。」
一言あいつが吐き捨ててくれれば、すべては終わる。
本気で熱を上げた自分が馬鹿だったと悟れば、どんなに楽なのだろうか。
低下し続ける講師として技量。
増加し続ける無駄な雑務。
仕事だけならいい、一人じゃないから言い訳野郎の副詞節だらけの会話により
時間が浪費されていく。
一人でどうにかなるものではない。
自分の体を刻みたくなった。
どうしていいかわからないから。
マルボロだけでは事足りない。
仕方が無いから、表情を消す。
あいつが視界に入っても、PCか他の幼い生徒さんを見つめる。
そんな私を受け入れる、笑顔を絶やさないあいつ。
一番辛いはずなのに、私に優しくしてくれる。
それを素直に受け取れない。
受け取らない。
あいつの方が辛いのに。
逆転する立場。
私はもうここにいられないのでは?
お客様の大切な息子さんをぞんざいに扱っている。
講師の資格が無い。
無機質な文法説明、構文説明、
あいつのためになっているのだろうか。
消える場所が無いから、代わりに表情を消す。
それは慣れている。
少しだけ指が触れた。
隣のあいつが私の横顔を見つめる、視線が刺さるように感じる。
何かを読み取られたくなくて、表情を消す。