Startin' over… -58ページ目
愛されないなら、利用させてやった方がましだ。
相手を騙してる気にさせて、その手のうちで転がってやり
ほくそ笑む。

ただ、
自分がしただけの我慢を、決して相手もしてくれるわけではない。
傷つけた分だけ愛情を返してくれるわけではない。
それをなぜもっと早く学ばなかったのか。

すべて壊れて、壊して失うのはそろそろだと
漠然と感じていた。

だめな人間だった。
でもそれは理由にならない。
得たものを誇ることも無かったし、大切にしようとも思わなかった。
むしろ軽蔑していた。
これが生きる道では無い。
失ったって怖くはない。だから崩れてしまえばおもしろい。
一生懸命とはほど遠い生き方。


浮かれていたのか、タイミングを逃したのか。
自暴自棄になっているのは常にだけど、それでも前に進む。
傷ついて、ボロボロになって、その姿を誇ってみたり蔑んでみたり。

どちらにせよもはや私に講師をやる資格は無い。
砕け散った責任感の欠片にしがみつき、恥をさらしながら半年生き抜くのか。
それともきっぱり足を洗い、夜の世界に戻るのか、その判断力は持ち合わせていない。

生徒、いやお客様からしたら私は不信感の塊である。
真面目に、倫理観と節度を持って生きる人間を心のどこかで馬鹿にしていた。
だって、それらをすべて捨て去り壊れてやっと出会えたのが自分を愛してくれる人であったから。

かりそめの愛情に身を委ね、つかの間の相手の体温を感じることに
全日常を費やす。
会えない時間は、ひたすら脳の中で自滅のイメージを思い描く。
精子を吐き捨てる公共財にしかなりえない、この体。
女に生まれて唯一役立たせることができたもの。
乱暴に触れられ、それでも一人じゃないことに安心し
愛されていないとわかっては自分の心をえぐる続ける。
鏡を見ては、醜い顔をもっと醜くしたくなって切りつけたい衝動に駆られる。

それでも生きるために、賃金を得るため、人並みの最低限の生活をしたいがため、
やれることは何でもやってきた。
プロ意識、そんなものを持ち合わせているかはわからない。
どんなにふられた仕事を全うしようが、決してできた人間ではない。
社会人というメッキの亀裂からこぼれ落ちる、破壊衝動。
全力で、まっとうに生きることを拒否する衝動がどこから来るのか未だにわからない。