軽蔑した目線を向けられる。
おそらく私がそうしているからだ。
「はい、これ。」
「ありがとうございます。」
「5分で仕上げて。」
「え?今からですか?」
「解けるでしょ。文法問題くらい。」
マジかよ。そんな不満そうな表情をして見せる。
駄目な浪人生。そんな眼差しであいつを見ていた。
偏差値、宿題への取り組み、自習中の態度。
それらを見ていると落ちて当然だろう、このままではいけない。
そう思い、厳しくというか冷たく接してしまった。
講師と生徒の間に線引きは必要であるが、その間に冷たい風を吹かす必要は無いだろう。
一体ここ二週間で、何回あいつをほめただろうか。
思い浮かばない。
閉室時間になり、室長から帰るよう伝えられるあいつ。
「待たされてるだけです。」
俺悪くねーし。確かにそうだ。
謝りながら、追加分の宿題をあいつの元へ運ぶ。
今日は雨が降っていた。
すべてをかき消してくれるように、馬鹿みたいに降る雨が大好きだ。
しかし、止んでしまった。
もちろん、一人で帰った。
だから、まっすぐ家には帰りたくなかった。
「一人飲みですか?」
Budweiserを半分ほど飲み干す。
「仕事帰りですか?」
絡んでくるヒマそうな男を無視して、マルボロをふかす。
視線を合わせることはしない。
バドの瓶を口に近づける。
「よく飲むねー。」
そりゃ当然。帰る決意をしたのだから。
一人で飲んだってろくなことにならない。
しばらくこの店には行かないだろう。
瓶を空にし、席を立った。
ヒマ人男がいたグループでは失笑が起こっている。
罰ゲームのオチとしては、悪くないのでは?
「ありがとうございます。」
気を遣ってか女性店員がドアまで見送りに来てくれた。
少しばかり、イライラは収まった。
酒など必要なかったのではないか?
<浪人生にありがちなこと>
とにかく勉強から逃げることに躍起になる。
・図書館に行かなくなる。
・予備校の自習室にいる時間が短くなる。
・勉強量が減る、密度が薄くなる。
・ちょっとした体調不良に敏感になる
・食事、本屋での参考書選びなど、勉強しない時間を必死につくる。
と挙げればキリが無いが、すべて自分の経験である。
だからこそ、逃げたい気持ちはわかる。
どんな嘘を並べたって、
そのテスト結果を見れば
朝勉強していない、宿題をやっていない、家で勉強をしていない、
そんなのはお見通しである。
「やったけどできないもん。」
テスト結果について、そんな合理化をしてみたり。
「じゃあどうやったらできるようになる?」
「え、もっとやる。」
「どうやって?」
「書く。」
「そうだね。」
確かに書いてくれている。
ただ文法事項にチェックもされていない、構造も全く捉えていない。
丸写し、丸暗記そんな勉強法だ。
確かにそれで通用する大学もある。ただあなたの志望校はどうだろう。
そんな程度で通じるなら、去年のうちに結果がでていたはずだ。
「先生。」
「何?」
「質問いいですか?」
「はい、どうぞ!」
「前置詞なんですけど・・・・」
一生懸命な子ほどやるべきことが見えている故、抱える不安は大きくなる。
それで気持ちが折れてしまうことがある。
努力家こそ結果を出して欲しい、いや夢は叶えられるべきだ。
「inは着用、あと素材。よし、ここメモしておこう。」
自分の人生に本気な人々がいる。
彼女たち、彼らが行きたい場所への一助になれるこの仕事。
それがどんなに幸せかを、ここへ来て初めて認めざるを得ない。
絶対に合格だ。
それ以外の結果は許さない。自分の仕事を完結させたい。
「もう帰っていいですか?」
直接言わないにしろ、そんな態度が見え隠れする。
帰る準備だけは人一倍早い。
ただ、こちらも結果を出さないと、本当にだめになってしまう。
何ができるのだろう。
足りないものを気付かせるのに、60分間で与えられるものの質を上げるしかないのだろう。
とにかく勉強から逃げることに躍起になる。
・図書館に行かなくなる。
・予備校の自習室にいる時間が短くなる。
・勉強量が減る、密度が薄くなる。
・ちょっとした体調不良に敏感になる
・食事、本屋での参考書選びなど、勉強しない時間を必死につくる。
と挙げればキリが無いが、すべて自分の経験である。
だからこそ、逃げたい気持ちはわかる。
どんな嘘を並べたって、
そのテスト結果を見れば
朝勉強していない、宿題をやっていない、家で勉強をしていない、
そんなのはお見通しである。
「やったけどできないもん。」
テスト結果について、そんな合理化をしてみたり。
「じゃあどうやったらできるようになる?」
「え、もっとやる。」
「どうやって?」
「書く。」
「そうだね。」
確かに書いてくれている。
ただ文法事項にチェックもされていない、構造も全く捉えていない。
丸写し、丸暗記そんな勉強法だ。
確かにそれで通用する大学もある。ただあなたの志望校はどうだろう。
そんな程度で通じるなら、去年のうちに結果がでていたはずだ。
「先生。」
「何?」
「質問いいですか?」
「はい、どうぞ!」
「前置詞なんですけど・・・・」
一生懸命な子ほどやるべきことが見えている故、抱える不安は大きくなる。
それで気持ちが折れてしまうことがある。
努力家こそ結果を出して欲しい、いや夢は叶えられるべきだ。
「inは着用、あと素材。よし、ここメモしておこう。」
自分の人生に本気な人々がいる。
彼女たち、彼らが行きたい場所への一助になれるこの仕事。
それがどんなに幸せかを、ここへ来て初めて認めざるを得ない。
絶対に合格だ。
それ以外の結果は許さない。自分の仕事を完結させたい。
「もう帰っていいですか?」
直接言わないにしろ、そんな態度が見え隠れする。
帰る準備だけは人一倍早い。
ただ、こちらも結果を出さないと、本当にだめになってしまう。
何ができるのだろう。
足りないものを気付かせるのに、60分間で与えられるものの質を上げるしかないのだろう。
やる気の無さは実力でカバーできる。
そう信じて疑わなかったが、時に根性を叩き直すことも時給の一部なのであろうか。
結果が欲しいなら。
「また追試?」
「そう。」
ビールジョッキを傾け、喉に流し込む。
もうじき肉が焼ける。
夜の23時に、電車で30分の繁華街に繰り出した。
某クーポンサイトでの営業時間を頼りに牛角へ。だが、ラストオーダーを過ぎていた。
来年から同じ業種で働く女友達と共に、朝まで飲める焼き肉屋を探しさまよう。
起きてから何も食べていなかった。
「私もうここでいい。」
「そうだね!食べよ!」
「飲もう!」
予定とは別の店であったが、肉も上等。
その上貸し切り状態。
カルビにハラミ、鶏肉とどんどん注文していく。
「もう、作るのも大変。こんなこと言いたくないが。」
「そうだよね。」
「問題集写すだけなんだけどさ、カナ変換のままアルファベット打っちゃうんだよ。
しかも4択問題の数字は丸数字だし。」
「何回落としてるの?」
「4回。」
またビールを流し込む。
「え!4回?」
「うん、4回。」
たまねぎが焼けてきた。
「落とし過ぎでしょ!」
彼女が失笑しながら、カルビをひっくり返す。
「わざとなの?」
にんじんを火の弱い部分へ避難させる。
「わざとでしょ笑」
「え・・・。あ、やべ!」
網の間にピーマンを落とすところだった。
「これ私のね、わざとなの?なんでひどくない?」
「好きなんだよ。」
「いやでもさ。」
「もうかわいいなー。」
「怒られて喜んでるし。」
「好き過ぎでしょ。」
「ほんと間に合わない。なんだかさ、変な意味じゃないけどね、
愛情に飢え過ぎじゃない?わざと忘れ物して帰るし。」
「それで追いかけるの?」
「うん、一応。」
「嬉しいんだろーなー。」
「だって家で勉強できないじゃん。」
「してる感じある?」
「ない。」
二人とも、強い眠気に襲われていたが、
仮眠のために入ったカラオケでは『ぶっ生き返す』を歌った。
寝る気無し。
深夜の焼き肉、朝までビール。
カルビを大量に消費し、そのカロリーはホルモンで消費した。
そう信じて疑わなかったが、時に根性を叩き直すことも時給の一部なのであろうか。
結果が欲しいなら。
「また追試?」
「そう。」
ビールジョッキを傾け、喉に流し込む。
もうじき肉が焼ける。
夜の23時に、電車で30分の繁華街に繰り出した。
某クーポンサイトでの営業時間を頼りに牛角へ。だが、ラストオーダーを過ぎていた。
来年から同じ業種で働く女友達と共に、朝まで飲める焼き肉屋を探しさまよう。
起きてから何も食べていなかった。
「私もうここでいい。」
「そうだね!食べよ!」
「飲もう!」
予定とは別の店であったが、肉も上等。
その上貸し切り状態。
カルビにハラミ、鶏肉とどんどん注文していく。
「もう、作るのも大変。こんなこと言いたくないが。」
「そうだよね。」
「問題集写すだけなんだけどさ、カナ変換のままアルファベット打っちゃうんだよ。
しかも4択問題の数字は丸数字だし。」
「何回落としてるの?」
「4回。」
またビールを流し込む。
「え!4回?」
「うん、4回。」
たまねぎが焼けてきた。
「落とし過ぎでしょ!」
彼女が失笑しながら、カルビをひっくり返す。
「わざとなの?」
にんじんを火の弱い部分へ避難させる。
「わざとでしょ笑」
「え・・・。あ、やべ!」
網の間にピーマンを落とすところだった。
「これ私のね、わざとなの?なんでひどくない?」
「好きなんだよ。」
「いやでもさ。」
「もうかわいいなー。」
「怒られて喜んでるし。」
「好き過ぎでしょ。」
「ほんと間に合わない。なんだかさ、変な意味じゃないけどね、
愛情に飢え過ぎじゃない?わざと忘れ物して帰るし。」
「それで追いかけるの?」
「うん、一応。」
「嬉しいんだろーなー。」
「だって家で勉強できないじゃん。」
「してる感じある?」
「ない。」
二人とも、強い眠気に襲われていたが、
仮眠のために入ったカラオケでは『ぶっ生き返す』を歌った。
寝る気無し。
深夜の焼き肉、朝までビール。
カルビを大量に消費し、そのカロリーはホルモンで消費した。