あいつの瞳を見ると、なんとか表面上の明るさは取り戻せたのか、
残りのコマは何とかやり切った。
マルボロをふかしながら、"The farther parking lot"であいつを待つ。
我慢できず、通りの方に出たくなる。
もう約束の時間から10分を過ぎようとしていた。
21時45分。
いつもなら生徒さんがすべて帰るまで、教室にいるのだが(もちろん無給)、
今日はそんな余裕無かった。
「じゃ、頑張ってね。」
「さようなら。」
白々しく声をかけ、教室を出た。
遠い方の、駐車場を目指し歩く。
少し横道に入らないと、見えにくい駐車場。
いつもは近い方の駐車場の向かいの陰で待ち合わせをしていた。
今日は、教室から離れたかった。
私は働けているのだろうか。
授業進度も管理できない、ダメ講師なのだろうか。
YesともNoとも断言できない、その両方が答えであろう。
結局あいつは来なかった。
精神的に崩壊していた。
思うように授業ができない。
教材に制約が与えられる。
その上生徒さんへの接触まで限定されるのだから。
”解雇”の二文字が頭をめぐる。
集団維持のためには、反乱分子として私を取り除く方が用意だろう。
本気でこの会社はバカだと思った。
自分から売上げを下げるのはともかく、サービスの質まで下げるなんて。
これは信頼低下へまっしぐらだ。
何とかお金に見合うだけのサービスを提供したい、その一心であらゆる邪魔へ抗ってきたが
その努力を”パワハラ”の一言で片付けさせられたことに、どう怒りを憤りをぶつければいいだろう。
理解者はいない。
だけど理解者が欲しい。
男性依存はもう嫌だけど、
躊躇はなかった。
某有名私大の過去問を解いている最中だった。
あいつの、厚手のシャツで覆われた胸がたくましく映る。
心を開いたように投げ出される左手。
こんなに指は細かったであろうか?
触れてもいないのに、体温を感じる。
自制の壁を崩すのに、十分だった。
傍線部の英文の上に、赤ペンでこう書いた。
”一人で帰りたくない。The farther parking lot at 22:00."
アンダーラインを引き、あいつはうなづいた。
生徒さんにこんな個人的な弱い感情を吐露する講師。
働く場所など、ここには無いのだろう。
すぐ様その問題を小さく折り畳んだあいつ。
その目を見る度に私は支えられてきた。
思うように授業ができない。
教材に制約が与えられる。
その上生徒さんへの接触まで限定されるのだから。
”解雇”の二文字が頭をめぐる。
集団維持のためには、反乱分子として私を取り除く方が用意だろう。
本気でこの会社はバカだと思った。
自分から売上げを下げるのはともかく、サービスの質まで下げるなんて。
これは信頼低下へまっしぐらだ。
何とかお金に見合うだけのサービスを提供したい、その一心であらゆる邪魔へ抗ってきたが
その努力を”パワハラ”の一言で片付けさせられたことに、どう怒りを憤りをぶつければいいだろう。
理解者はいない。
だけど理解者が欲しい。
男性依存はもう嫌だけど、
躊躇はなかった。
某有名私大の過去問を解いている最中だった。
あいつの、厚手のシャツで覆われた胸がたくましく映る。
心を開いたように投げ出される左手。
こんなに指は細かったであろうか?
触れてもいないのに、体温を感じる。
自制の壁を崩すのに、十分だった。
傍線部の英文の上に、赤ペンでこう書いた。
”一人で帰りたくない。The farther parking lot at 22:00."
アンダーラインを引き、あいつはうなづいた。
生徒さんにこんな個人的な弱い感情を吐露する講師。
働く場所など、ここには無いのだろう。
すぐ様その問題を小さく折り畳んだあいつ。
その目を見る度に私は支えられてきた。
夢を見た。
イモリ、メダカ、ベランダがある窓の桟付近にはエサの箱が並んでいる。
ここは誰の部屋なのか。
振り返るとあいつがいた。
歩み寄るやいなや、私の腰をつかんだ。
そして唇を塞がれた。
「ずっとこうしたかった・・。」
そう言い残して。
必死で彼の接吻に答え続けてるうちに、目を覚ました。
朝方に回した洗濯機の中身を放置したまま眠ったらしい。
一服した後、すぐさまシャワーを浴びた。
念入りにボディケアをした。
クリスマスムードに浮かれている人々を、揶揄することはできない。
イモリ、メダカ、ベランダがある窓の桟付近にはエサの箱が並んでいる。
ここは誰の部屋なのか。
振り返るとあいつがいた。
歩み寄るやいなや、私の腰をつかんだ。
そして唇を塞がれた。
「ずっとこうしたかった・・。」
そう言い残して。
必死で彼の接吻に答え続けてるうちに、目を覚ました。
朝方に回した洗濯機の中身を放置したまま眠ったらしい。
一服した後、すぐさまシャワーを浴びた。
念入りにボディケアをした。
クリスマスムードに浮かれている人々を、揶揄することはできない。