may be A worse day? | Startin' over…
さすがに待たせすぎた。
申し訳なくなり、横に座り採点を始める。
こんなに受験生ばかり、私は持ちきれる、いや担当させて頂くのが可能なのだろうか。
能力的に。
ただ広げなければいけない、この小さなキャパを。
無理にでも。
そして結果を提供しなければいけない。意地でも合格して頂く。

「はい、toの後ろ、いいね原形!」
「having Vpp、時ずれおっけ!」
「inの後ろ、よしing!」

50問中、20問目あたりまで快調。
そう、これが3回目なんだもの。

「あっちでさ、先生丸付けしてるときまじ緊張する。」
「そうなの。」
「赤ペン止まるときまじこわい。」

そうやって見てる間に単語練習できるだろ。
と言うのはしばらく控えている。

「ちょっと。」
「はい。」
「I saw her go into the cafe with her boy friend.これ元文よね?」
「うん。」
「なんでingついてるの?」
「え。」
「いや、確かにこういう文あるよ。goingなら見たのは一瞬。goだったら一部始終。
で、She was seen to go into the cafe・・・なら受け身にしたときto復活してるよね?
それを元に戻せって問題だから、goにならなきゃいけないよね。」

もっとうまい言い方はできなかったのだろうか。

「え、だって、え、ちょっと待って。」

英文を書き出し、再度説明する。
その後、あいつに自分の言葉で説明させる。
確かにこのくらい、知らなくたって英文は読めるかもしれない。
ただ、こんな基礎問題の失点が多い故偏差値が伸び悩んでいる。
できるようにする他ない。

「ちょっと。」
「はい。」
「なんでいきなり男になってるの?」

あいつが問題用紙を覗き込む。
分詞構文の問題。
テレビをつけたあと、彼女はソファに横になった。
Having tuned on TV, she lay on the sofa.

After she had turned on TV, she lay on the sofa.
こう書き換えて欲しかった。
例文の日本語は時差が無いようにも思えるが、
時ずれは理解してくれていた。
ただ、After節の主語がheになっていた。
もちろん×をつけた。

「いや、これは見直し不足。」
「本番やったらどうなるの。いや、君受ける大学こんなの出ないと思うよ。」
圧倒的にマークが多いから。
「ただ、さっきのgoの問題にしろ5箇所やったらどうなる?
25点失点?人生変わるよね。」
悪い方に。

精神論、人生のこと語る講師は馬鹿だと思って来た。
だって語れるほどの立派な人生を過ごして来てないのだから。
ただ最近説教じみて来てしまう。
浅はかでないだろうか。


採点してみると3つ失点。
そのうち一個はgoの問題。

C(補語)の部分に原形が入る場合とing形が入る場合の説明を課した。
それでもって丸にした。
なんて甘過ぎ。

「丸付けしてるときにね、まじ寿命縮まる。」

文法問題をナメてかかるほう、寿命が縮まるどころか
自殺行為である。

「はい、次のテストは土曜日ね。よろしく。」
「ありがとうございます。」

律儀にお礼をしてくれる子。
あなたのご家庭のおかげで私は生活できている。
ただ、合格してくれさえすれば何も望みません。