A somebody special | Startin' over…
「先生?」
「なした?」
「これ…。」

高校入試の模試の結果を見せた。
かつて半分もとれなかった苦手だった数学は、8割を越えるようになった。
しかし国語で大きく失点した。
朝図書館に向かい、夜は塾に行く。その生活が崩れ始めていた。
それに伴い、勉強時間も激減。
自分で決断し選んだ道なのに、無責任で怠惰な日々を送っていた。
今でこそ自棄になることもできるが、その当時は16歳。
自己嫌悪が募り、押しつぶされそうだった。
両親の仲も悪くなり、家を抜け出したい。
そんな気持ちも募るばかりであった。

「うーん、でも今回は仕方が無いから、しっかり復習しておこう。」

わかってる。
そんなこと。
ただ気にかけてくれる大人が欲しかった。
先生の声を聞いていたかった。
そうだろう。塾講師として言えるのはその一言につきる。

私は特別じゃないけど、特別になりたかった。