山の起伏を忠実に利用して建てられたキャンパスでは、図書館まで行くにも坂道を登らなければならない。
日が傾く前の太陽は、さんさんと輝きながらもどこか寂しげな表情をしていた。
「もうじき、オレンジ色になるのだろう・・・。」
これから私がやることは、気丈に日々を過ごすこと。
もっと奴にふれてよけばよかった。
もっと奴を感じておけばよかった。
奴はもう着いたのだろうか?
今朝勉強できねぇじゃねぇーかと言いながら乱暴に私を抱いた。
案の定、去年まで喫煙可能場所であった図書館前のベンチで煙草をふかしていた。
出会って間もない頃でもなく、一つになった朝でもなく、また新たな形になった私たち。
「おう、遅かったな。」
こうして、明日からも何事もなかったように言葉を交わしていくのだろう。
私が泣くのを見てそんなに嬉しかった?
ただ、その時は自分の傷ついた感情を完全に隠すことが、最後に奴の”甘えたい”という欲望を満たしてあげるために私ができる唯一のことだと思っていた。