奴を100%責めるつもりは無いし、自分を被害者扱いするような女だけにはなりたくない。
傷ついたけど、すべて私の選択で行ったことだ。
琴美は、奴が私に依存している、自分が寂しいときだけ会いたがる、それは依存だと思うと言っていた。
千恵は、奴にかまっている時間がもったいない、もっといい人がいる、と言っていた。
奴に触れるまで、奴に恋愛感情なんて抱いてなかった。
ただ他の男より一歩、それ以上、たまたま私に近付いていただけ。
好きだからセックスしたわけじゃない。
だけど、ただの欲求以上に何か求められている感じがした。
あの夜だって、抱きついたのは私の方から。
拒否権だって与えた。
奴のTシャツをめくりあげようとしながら、「どうして抵抗しないの?」と聞く私に対し、満面の笑顔で「さぁね」としか答えず、奴はキスをした。
娼婦になった気分に近いものだったのか?
だけど、奴が私の胸に顔を押し付けてきたとき。
新たな感情が生まれた。
好きとかじゃなく、そばにいてあげたい、もう奴には寂しい思いをさせてあげたくない、そんな強い感情。
でも、そう思うことで、自分も癒されようとしていたのだろうか。
未だに、二回目のあの夜は訪れたことはない。まるで、どこにもなかったように。
本当の奴に出会えたあの夜。
だけどそんなものを、未だに求めてしまう。