NHK英語教授がお伝えする英会話上達のイロハ -21ページ目

NHK英語教授がお伝えする英会話上達のイロハ

NHKの英会話番組講師でもある木下和好が英会話上達のイロハを余すところなくお伝えしていきます。

あるテレビ局で、日本人の落語家がアメリカで英語の落語に挑戦すると

いうドキュメンタリー番組を放映した。興味深く見ていたのだが、ひとつ

だけ残念なことがあった。ニューヨークの晴れ舞台で大勢の観客を前に

流ちょうな(?)英語で話していたのだが、その内容のキーワードが

card(名刺)であった。でも彼はそれを最初から最後まで curd(凝乳)

と発音していた。curd bean curd(豆腐)などを思い起こさせる。

聞いていた観客の中で融通の利く人達は、前後関係からそれが card

はずだと思いながら聞いたであろうが、融通の利かない人達は、話の内

容をほとんど理解しなかったのではないかと心配した。ほんのわずかな

発音矯正 で、拍手喝さいされたに違いない。


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英語を学んだり話したりする時、通じる発音と目指す発音を明確

に区別する必要がある。

ことばによるコミュニケーションで一番大切なのは「通じる」こ

であり、それに異論を唱える人はいない。英語の発音の場合でも、

ネオティブのような発音でなくても通じる発音であればそれで良い

し、それ以上である必要はないと考える人も多い。実際英語は今や

国際語で、英語を話す人の75%は英語を母国語としない人達であ

るので、イギリスやアメリカで使われている英語だけが英語である

と考える必要はないと明言している指導者も大勢いる。

 ではこれから英語を習得しようとしている人達は、通じる発音と

ネイティブ的美しい発音のどちらを目指すべきであろうか?日本の

英語教育界のリーダー格の人達の中に「日本人はアメリカ人やイギ

リス人のような英語を話す必要はない。世界中の人達が母国語の訛が

入った英語を話すが、それで十分通じているではないか?」と主張

する人が多い。でもそれが本音かどうかはわからない。自らの発音

の不十分さを正当化するために言っているとも考えられる。なぜな

らその人達が自分の子供に英語を習わせる時、シンガポール人や香

港人の先生にではなく、アメリカ人やイギリス人の先生をつけるか

らだ。英語習得のための留学であれば、やはりイギリスやアメリカ

に留学させる。であれば、彼等の本音はやはり「ネイティブ的美し

い発音」の習得が大切であるということになる。

 「通じる発音」は「ネイティブ的発音」を学習しなければ習得で

きない。たとえば日本人の多くは英語のLの発音Rの発音 を苦手

としていて、日本語の「ラ行」の発音をしてしまう。でもそれは

「通じない発音」である。通じさせるためにはどうしてもLとRの

発音矯正 が必要で、模範とすべき発音はやはりイギリス人やアメリ

カ人の発音である。ネイティブの発音を真似しながら練習を重ねる

と、通じる発音になるが、それでもネイティブの発音ではない可能

性がある。でもそのように学んだ人達に「発音は通じれば十分で、

ネイティブのような発音を目指す必要はない」とは消して言えない。

後者を否定すれば、前者も否定することになるからだ。

このよに「通じる発音」と「目指す発音」は明確に異なり、目

指すべき発音は「ネイティブの発音」で、その結果が「通じる発

音」となる。


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10才~12才の時に脳に蓄積されていることばが母国語となる。そ

の時期に1つの言語だけ入っている人はモノリンガル( monolingual )

2つの言語が入っていればバイリンガル(bilingual)、そしてトライリ

ンガル(trilingual)マルチリンガル(multilingual)というふうになっ

て行く。ところで「母国語(mother tongue)」ということばは、厳密に

言うと、英語でも日本語でも正確な表現ではない。なぜなら「母親が話

すことば」が母国語になるという印象を与えるからだ。当然なことなが

ら子供に一番近い存在が母親で、こどもは母親が話すことばを覚え話す

ようになる。しかし実際は子供が一番多く接する言語が母国語となり、

必ずしも母親の話すことばが母国語になるわけではない。

たいていの場合は、母親とまわりの人達が同じ言語を使うので、「母国

語=母の話す言語」の印象を与える。しかし異なる言語が使われている

国に住む家族には、全く異なる現象が起こる。たとえば日本人家族がア

メリカに移住した後、家では両親が毎日日本語で話していても、子供が

英語のテレビ番組を見、幼稚園に通い、現地の小学校に入学すると、圧

倒的に多く接することばが英語になるので、やがて英語が母国語になっ

てしまう。日本語には英語の訛が入り、外国人のような話し方になる。

その結果、親は日本語で話し子供は英語で応答 するようになる。移民の

国アメリカでは、こんな光景をどこでも見ることが出来る。


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