
10才~12才の時に脳に蓄積されていることばが母国語となり、それ
以降に学ぶことばは第二言語で、あくまでも外国語である。とは言って
も、中には20才過ぎてから学ぶことばでも、母国語に近いレベルに到達
する人がいる。私の周りにも成人した後来日し、それから日本語を学び、
会話で日本人にひけをとらない人達が何人もいる。すなわちバイリンガル
になった状態だ。
でも最近気付いたことがある。それは母国語と第二言語は、脳内の保存
状態が異なるということである。人は年を重ねて行くと物事を忘れ易くな
るが、「今」に近い出来ごとほど忘れがひどくなる。でも昔の出来事は忘れ
ないので、たった今話したことを忘れ同じことを何度でも話すようになる。
これは若い時の体験と後の体験では、記憶される脳の深さが異なることを
示唆している。脳深くに刻まれた記憶は持続し、より浅い部分に保存されて
いる記憶は、年令と共に忘れ易くなるということである。
私が中高生の時に出会ったアメリカ人宣教師で、みごとな日本語を話す
人がいた。最近数十年ぶりに同じ宣教師の話を聞く機会があった。しかし
私は彼の日本語にショックを受けた。あれほど下手になるなんて考えられ
ない。その時ふと思った。彼にとって日本語はあくまでも第二言語で、ど
んなに上手に話しいても、母国語ほど深く脳裏に刻み込まれてはいなかっ
たのだと。
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