逆流性食道炎? によると思われる喉のヒリヒリも収まらず、また胃酸を抑える薬もなくなってしまったので、本日土曜日は、ブログ日記にも書いていた通り病院へ行ってきました。
それほど深い眠りだったとは思えない…。いつも通り夜更かしをしていたせいもあるのだろう。気が付くと枕近くに置いていた目覚まし代わりのガラケーのアラームが鳴っており、設定していた『TO MAKE THE END OF BATTLE』がドでかい音で、早く起きろ、起きろ、とせっついていました。
眠い目を擦りながら、右手をグッと伸ばしてほんの少し冷たく感じるガラケーの背中を辿り、側面のスイッチを押してアラームを止めました。ボーっと壁掛けの時計を見ると 9:00 過ぎ。
「…眠い」そう言ってまた目を閉じる。とは言え、今は季節は“夏”。一度目を覚ませば、この暑さの中ではとても二度寝なんてできたものではない。ジワッと染み出してくる汗を感じて、「クソッ!」と心で悪態をつきながら体を起こしました。
立ち上がろうとすると、ちょっと腰が痛くてフラッとよろけてしまいます。学生の頃から腰を痛めており、昨今敷布団の下のマットレスがヘタってきており、腰への負担が大きくなっているせいなのだろう。もうトゥルースリーパーでも買うしかないのか? (笑)
とりあえずお腹もすいているので、階下の台所まで移動し、冷蔵庫の中から残り 1 枚となった食パンを取り出し、トースターに入れて 2 分ほどこんがり焼く。
いつもはケトルでお湯を沸かして AGF スティックラテなどを飲むのだが、この暑さ…、温かい飲み物は無理っぽい。冷蔵庫から無糖ミルクティーを取り出してコップに注ぐ。
そんなことをしている間に、チンッ! とトースターの加熱終了の合図だ。トースターから熱々のトーストを取り出す。今日はトーストに何を付けようか…。ブルーベリージャムもあるけれど、もうすぐ終わりそうなのでチョコクリームにするか。
冷蔵庫からチョコクリームの入れ物を取り出し蓋を開ける。う~~ん…あと 1 回…いや 2 回かな…。とりあえず、すくってパンに乗せる。何度か繰り返すと、やっぱりもう 1 回分くらいが残った。とりあえずまた冷蔵庫に仕舞う。
サクッという音とともにパンを頬張って食べる。ゴクリとミルクティーで流し込んだ。
普段着に着替えて、出かける支度をする。診察券はいつも財布の中に入っている。お金は…とりあえず受診するくらいはあるはず。土曜日の診療は午前中だけなので多分混んでいるだろう。時間つぶしに待合室で読む本を持っていくことにした。
診察時間もあるので、じっくり選ぶことはしない。本箱の上に重ねて置かれた文庫本のうち、ちょっと厚みのある本をカバンに入れた。
それにしても、ちょっと動いただけでも全身が暑くなる。時間もないので、とりあえずスクーターを出して病院へ向かう。
走り出せば、夏とは言え風が気持ちいい。どうせならもっとカラッと晴れてほしいものなのだが、青空は見えてはいるが雲が多い。ちらっと北側の山の方を見たが、今日も厚い雲の壁の向こうで富士山は見えない。
病院へ着くと、早速受付。受付の医療事務の担当さんが非接触型の体温計で体温を測ってくれる。36.8℃で平熱だ。小さな問診票に体温を書き込んだ。
受付が済むと、あとは名前が呼ばれるのを待つだけだ。待合室を見渡すと今日は思ったより診察待ちの患者さんは少なかった。空いている席へ座ってカバンから持ってきた本を取り出す。
川端康成の『掌の小説』を持ってきていた。この本は何度か病院の待ち時間に読んでいるが、厚みがあるだけ結構な数の短編が詰め込まれていて、さすがに全部を脳裏に焼き付けていないので繰り返して読んでも飽きはしない。
以前のブログ日記で書いたと記憶しているのだが、この本を買った切っ掛けは、学生時代に国語の教科書に「バッタと鈴虫」という短編が載っていたことを覚えており、それをもう一度読みたくなったからである。載っている本を探すと、それが『掌の小説』だった。
「バッタと鈴虫」については、ネットで検索すれば、色々な人たちの意見や感想を目にすることができる。私自身はやはり、下記の文がグッと印象深く私の記憶の葉脈に刻み込まれている。
不二夫少年よ! 君が青年の日を迎えた時にも、女に「バッタだよ。」と言って鈴虫を与え女が「あら!」と喜ぶのを見て会心の笑みを洩らし給え。そして又「鈴虫だよ」と言ってバッタを与えた女が「あら!」と悲しむのを見て会心の笑みを洩らし給え。
更に又、君が一人ほかの子供と離れた叢で虫を捜していた智慧を以てしても、そうそう鈴虫はいるもんじゃない。君も亦バッタのような女を捕えて鈴虫だと思い込んでいることになるのであろう。
そうして最後に、君の心が曇り傷ついたために真の鈴虫までがバッタに見え、バッタのみが世に充ち満ちているように思われる日が来るならば、その時こそは、今宵君の美しい提燈の緑の灯が少女の胸に描いた光の戯れを、君自身思いだすすべを持っていないことを残念に思うであろう。
たった 5 ページの中で、まるで自分が「そこ」でその情景を眺め、「私」と同じ心境を抱くようになるであろうと、本当に思うのです。
他の短編を読みながら、名前が呼ばれるのを待っていると、唐突にスピーカーから私の名前が呼ばれた。私は栞を本に挟みなおすと、パタンッと本を閉じた。歩きながら本をバッグに仕舞い、コンコン! と軽くノックをしてから診察室に入っていった。